修学院離宮は、江戸時代初期に造営された後水尾天皇の離宮である。天皇自らが設計した庭園と3つの御茶屋は、1653(承応2)年から約2年の歳月を費やして完成した。離宮の総面積は54500㎡、代々木公園とほぼ同じくらいの広さである。敷地の9割を占める広い棚田は、今でも近隣の人々が耕しており、当時の景観を維持しているのだそうだ。後水尾天皇はこの離宮で、作業着に着替えて働いたり、農家の人々に声をかけたりしたそうである。田んぼの畦道には手入れの行き届いた松が植えられており、それぞれのお茶屋を結んでいる。同時期に建てられた二条城は、絢爛豪華な将軍上洛時の宿所であったが、修学院離宮は、後水尾天皇の心を癒す、素朴でのどかな田舎風の離宮だったのだ(参観は要予約)。
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