京都、哲学の道の法然院橋を渡る。閑静な住宅街の路から哲学の道の一本山側の小路に入る(通称:隠れ道)。ちょうど法然院の南側。普段はとても静かだが、この時期は人通りが増える。
紅葉のシーズンも終盤。秋風が散らした紅葉がまるで絨毯を敷き詰めたように石段を染めている。石段を上った先には茅葺屋根の山門。とても雰囲気のある寺院は、松虫・鈴虫の安楽寺だ。安楽寺は「承元の法難 (建永の法難)」の断罪により処刑された僧侶二人の菩提寺だ。結局は宗教弾圧が表に出てしまったものだったが。事件の発端になった女官二人、松虫・鈴虫は瀬戸内の小島(生口島)に遠島、念仏三昧の余生を送り往生を遂げたとある。まだ松虫19歳、鈴虫は17歳、年端もゆかぬ二人の心は如何ばかりだったろう?それぞれの想いが詰まっている散紅葉にとても強い哀愁を感じてしまった。
安楽寺、普段は非公開なのでいつもは素通りだが、年に数回特別公開される期間がある。春は「さくら」、「つつじ」、「さつき」の時期。夏は「鹿ケ谷カボチャ供養」の時期。秋は「もみじ」の時期の計5回。私は秋の紅葉シーズンにしか拝観した事が無いが、この散紅葉と山門のカットだけを撮影して帰られる人も多い。参道の景色はそれほど素晴らしい!境内には10年前に客殿が新築されて本堂の渡り廊下で繋がっている。特別拝観の日を中心にカフェスペース(カフェ椛)として利用出来る。この季節、ソファや座布団に腰を降ろし、窓の景色を眺めるのは最高だろう。
行き方
公共交通機関(バス利用)
- 京都駅から市バス5号系統「岩倉操車場」ゆき 「真如堂前」下車 徒歩約15分
- 四条河原町から市バス203号系統「祇園・錦林車庫」ゆき 「真如堂前」下車 徒歩約15分
- 出町柳駅から市バス17号系統、102号系統、203号系統 「錦林車庫前」下車 東へ徒歩約15分
- 神宮丸太町駅から市バス93号系統、204号系統「錦林車庫前」下車 東へ徒歩約15分