上野: 東京文化会館

日本最古の「バレエの殿堂」

Takako Sakamoto   2014/03/18によって

日本のクラシックコンサートホールの先駆けである東京文化会館は、「日本にオペラやバレエも上演できる本格的クラシックホールを」との要望から、東京都が開都500年事業として建設し1961年4月にオープンした「音楽の殿堂」だ。しかし私は敢えてここを「バレエの殿堂」と呼びたい。なぜなら主要なバレエコンサートは、ほぼ間違いなくこの東京文化会館で行われるからだ。

日本には残念ながらパリ・オペラ座やミラノ・スカラ座、ボリショイ劇場、マリインスキー劇場等々のように歴史もあり尚且つ美麗なコンサートホールはない。伝統芸能を上演する劇場として歴史やそのスケールを誇れるのは、おそらく 銀座歌舞伎座 か京都南座くらいのものだろう。クラシック音楽やバレエなどの「洋物」が本格的に日本に輸入されたのは第二次世界大戦後なのだから、それは致し方ない。

今では 新国立劇場 もでき、すっかり古びれた感のある東京文化会館だが、なぜか私はここが好きだ。というのも古典物を観聴きするのに、ピカピカの最先端ホールというのは、いくら施設は新しくとも何やら興醒めするからである。新国立劇場でもバレエや演劇を観たし、スロープになった客席など、観易い設備ではあったが、やはり東京文化会館が良い。それは多分長年の間に培った思い出が交錯する場所だからだろう。何十年も前から通っている劇場というのは、何年振りかに再訪すると感慨深いのだ。

さて先日、その東京文化会館をおそらく7~8年振りに訪れた。その日はパリ・オペラ座バレエ団が公演を行っており、演目はドン・キホーテだった。前回訪れたのは、多分4年に1度行われる世界バレエフェスティバルだったように思う。私はバレエを30年程観続けているので、現在パリ・オペラ座で活躍しているダンサー達は、私がかつてファンだったダンサー達の子供の世代だ。かつてマルセイユ・バレエ団のドミニク・カルフーニという妖艶な美女ダンサーのファンだったが、彼女の息子マチュー・ガニオが今やパリ・オペラ座の中堅エトワールダンサーとして活躍しているのだから感無量である。

この東京文化会館、既にお分かりのようにピカピカの最新ホールではない。しかし上野公園内というロケーションも相まって、落ち着いた独特の良い味を持っている。ロビー内には観客が立食できるテーブルが各所に設置され、休憩時間中ワイン片手に談笑する老若男女の姿が覗える。またホール内にはレストランとカフェがあり、朝11時~夜19時まで営業しているので、コンサートを観る前に食事をとることも可能だが、混雑が予想されるため予約しておく方がよいだろう。クラシックコンサートやオペラ、バレエにはドレスアップしてくる客もいるし、冬場にはみなが分厚いコートを着込んで来場する。しかしこのホールはクローク完備で、無料で荷物を預かってくれるため心配は無用だ。

最後に、ロケーションが良い。JR上野駅下車後、道路を渡ればすぐ目の前だ。夜のコンサートなら昼間ぶらぶらと 上野公園 内を散策するのもよいだろう。ご存知のとおり上野公園には 国立西洋美術館上野の森美術館東京都美術館、各種博物館や 動物園 まで芸術文化施設が目白押しなのだから、する事には困らない。

各催し物の詳細は、東京文化会館のホームページ を、更なる写真の数々はジャパン・トラベルの他の記事をご参照頂きたい。

Takako Sakamotoさんによって書かれました。
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