皇室コレクションの美術館

日本の伝統の美

皇居は日本で一番有名な場所のひとつですが、その中に入場無料の質の高い美術館があることはご存知でしょうか?それは「三の丸尚三館」という、美術館らしくない名前の施設です。むしろ宝物館と言ったほうがよいかもしれません。というのも、平成時代が始まった時、皇室から日本政府へ、皇室の所蔵品の一部が寄贈されたことがきっかけで開館された施設だからです。

私は特別展が開催される時だけでなく、小春日和の日や秋晴れの日にもこの美術館をふらりと訪ねたくなります。東京駅からの15分ほどの道のりや、美術館のある「皇居東御苑」という、皇居の一部を開放した公園は、散歩を楽しむのにとても気持ちの良い場所だからです。「皇居東御苑」には三つの入り口がありますが、大手門口が「三の丸尚三館」に一番近い入口です。大手門をくぐると事務所の前でプラスチックの入場札が手渡され、御苑の中に入ります。最初に目にする建物が「三の丸尚三館」です。

私が訪ねた時、開館20周年を記念する企画展「美を伝え行く」が開催されていました。室内には15点ほどの作品が展示してありましたが、中でも鎌倉時代の作品、「春日権現験記絵」という作品はとても有名な絵巻物として知られているものです。700年以上前の作品なのに色彩が鮮やかで、保存状態の良さに驚きました。このように、三の丸尚三館の所蔵品は、重要文化財などの指定を受けていないので、華やかさに欠けるかもしれませんが、質の高い、保存状態の良い作品が多いようです。きっとその美しさに圧倒されることでしょう。ただ、作品のタイトルや説明が日本語中心なのが、外国人の人にとっては残念かもしれません。個人的には現代日本の中でも特別すぐれたプライベートコレクションのひとつではなかと思っています。

さて、美術館を楽しんだ後は「皇居東御苑」を散歩してみてください。庭園内には江戸城の石垣だった石の壁の迫力に圧倒されると思います。その石垣に太陽の光に照らされてできる光と影の表情は、現代の抽象絵画作品のようにも見えてきて面白いですよ。

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素晴らしい穴場を知る事ができました。落ち着いて良いものをゆっくりと見られる場所のようですね。近いうちに行ってみようと思います!

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