1932(昭和7)年竣工の松が峰教会は、大谷石で築かれた最古の教会であり、現存する大谷石建築物の中では最大の規模である。設計は、チューリッヒ出身のスイス人建築家マックス・ヒンデルで、彼は16年間の日本滞在中に上智大学1号館や東京の聖母病院など、教会関係の作品を多く残している。大谷石の質感を生かした柔らかく優雅な意匠は、教会内外に存分に生かされている。尖塔の脇にある長靴を履いたカエルの装飾は、雨を受け流すドレーンの役割を果たしていて、台風の時には、カエルの口から雨が滝のように流れ落ちるのだという。