大涌谷は、富士山の絶景、天然温泉、そして伝統的な「黒たまご」で知られる、箱根の中でも人気の観光スポットだ。しかし、大涌谷エリアで続く火山活動や地震活動への警戒のために、今月6日からは、そのほとんどの区域が立ち入り禁止となっている。
同区域では、4月下旬から地震活動への警戒が高まっている。5月10日には、その一日だけで266回もの地震が計測された。より多くの情報を求める観光客からの声に応じて、地元の役場は、立ち入り禁止区域を示した地図と、大涌谷周辺の最新情報を公開している。
また、外国人観光客のために、大涌谷エリアを囲む山道には、英語、中国語、韓国語での警告が掲げられている。さらに、小田原や箱根湯本を含む小田急線の駅では、箱根ロープウェイの運休などといった主要な情報が、英語で大きく掲示されている。
制限された大涌谷へのアクセス
5月6日に箱根山での警戒レベルが引き上げられたことを受け、予防措置として、噴火口の周辺を始めとする広いエリアで、アクセスが制限されている。立ち入り禁止区域を示した地図は、箱根の公式サイト上で随時更新され、入手可能となっている。
箱根の地で最後に噴火したのは西暦950年のことであるが、今回のような地震・噴火活動はこれまで何度も起こっており、したがって今回のケースはそこまで珍しい訳ではない。
気象庁は、大涌谷エリアでの火山活動について、重大な噴火の予兆となるような活動の活発化などは見受けられないと明言している。しかし、警戒を持って安全策がとられているのは、何の前触れもなく起こった2014年の御嶽山噴火のような、最悪の事態を防ぐためである。
観光客や地元住人など一般からの要望に応える形で、神奈川県は大涌谷温泉エリアのライブストリーム放送を開始し、さらに情報が入手しやすくなるよう努めている。
大涌谷の制限エリアを除き、他のエリアでは通常通り観光名所はどこも営業している。警戒情報を確認しつつ、上手に観光を楽しみたい。