福井・あわら蕎麦~第一部

種まき

Shozo Fujii   2014/08/09によって

福井は全国有数の蕎麦(そば)処である。

資料の数字はやや古いが全国第5位の蕎麦生産量1600トン(2007年)を誇る。

蕎麦栽培は福井県全体に広く行われているが、盛んなのは嶺北地方だ。

中でも蕎麦生産地として有名なのは南条、丸岡である。

福井蕎麦の基礎をこしらえたのは江戸時代、福井藩の名家老として名高い本多富正であろう。

本多は飢饉に喘ぐ農民に、

「蕎麦は短期間で栽培収穫ができる。痩せた土地でも収量が見込める。しかも滋養豊かだ。広く作るが良いぞ。」

と蕎麦栽培を奨励した記録が残されている。

しかも、大根をおろして出汁につけた「大根おろし蕎麦」というレシピまで考案したから、彼の名はもっと知れ渡ってしかるべきであろう。

 昨今、農業の次世代の担い手が無く離農・棄農がじわじわと増えている。

この全国的な傾向は農業県福井でも例外ではない。

一旦耕作放棄された土地は再び耕作地として蘇らせるには相応のコストがかかる。

福井の穀倉地帯と言われるあわら市。

若い農業従事者に収入を上げてもらい、耕作放棄地などの遊休地利用も実現させようと、[JAあわら]の積極的なバックアップに支えられて新しいプロジェクトが数年前に動き出した。

それが、あわら蕎麦なのである。

蕎麦は7月下旬から8月上旬にかけて種まきをする。

9月に開花。そして10月末から11月初旬には収穫となる。正味3ヶ月の短期間だ。

蕎麦栽培の最大の特長は、手間がかからない「省力栽培」という点に尽きる。

同じあわら名産のメロンは蕎麦の数倍の手間がかかるのだ。

蕎麦は種まき後の発芽率が100%近い。幼苗の時点で雨にたたられると幼苗は持たないのだが、それを留意して乗り切ると、農薬散布不要、肥料も土の状態に応じて有機肥料を少し施せばいい。

単位面積当たりの蕎麦収量は他の作物に比べるとそれほど多くないので、蕎麦栽培にはある程度の栽培面積が要る。

現在あわら市では18軒の農家がおよそ120haの土地で蕎麦作りをしており、毎年平均して約50tの蕎麦を収穫しているという。

福井随一の平野部である坂井平野に

操縦するのは最新型のトラクターだ。

9条の種まきが一度に可能である。

8月の残暑の日差しに抱かれて育つ蕎麦を収穫まで追いながら、美味しい福井あわら蕎麦がおろし蕎麦になるまでを追跡したい。

Shozo Fujiiさんによって書かれました。
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