冬の終わりを告げる 桜。春の訪れと共にやってくる桜の花は、新たに息づく生命の誕生を私達に知らせてくれる。桜の花には、普段は別々の道を歩く老若男女を共に集わせる魔力がある。人々はしばしの間日常生活を忘れ、見知らぬ者同士が友人になる。都会暮らしの凡人が詩人へと豹変し、自然美を語り出す。人間たちが再び人生を謳歌し始める・・・自然と人類の調和が訪れるのだ。
福岡市には桜の名所がたくさんある。しかしその中でも一番人気があり活気もあるのが舞鶴公園だ。大濠公園のすぐ隣に位置し、赤坂駅や大濠公園駅からも徒歩数分、バスの便もたくさんあるこの公園には、優に 1,000 人以上の花見客を収容できるスペースがある。
舞鶴公園の城跡は魅力的だ。本丸こそ残っていないものの古い城壁は美しく、絶好の桜の背景だ。重厚な門もあり、かつて天守閣があった高台からは、福岡市内や公園が美しく見晴らせる。特に桜の海の中広がる市内や公園の眺望はドラマティックだ。
城跡内の高台は、活気あふれるフレンドリーな花見客たちで賑わっている。特に週末には混雑するので注意が必要だ。ここには伝統音楽を奏でるミュージシャンやギターをつま弾くギタリストもいる。太鼓の生演奏を聴ける時もある。どこを歩いても人々は気さくで気前が良い。
花見シーズンの夜になると、公園内はライトアップされ、城壁や桜が新たな表情を見せる。ライトアップは夜 10 時に終了するが、朝まで点灯している照明もあり、明け方まで居残る花見客も見られる。
花見の前後に時間を割いて、明治通り沿いのお濠端を歩いてみよう。明治通りは公園北側の大通りで、地下鉄の入口もこの通り沿いにある。ここからは美しい水をたたえたお壕沿いの桜並木と、城壁の姿を堪能することができる。
舞鶴公園—maizuru kouen—Maizuru Park
福岡城跡—fukuoka-jou ato—Fukuoka Castle Ruins