自然と一つになる瞬間

無計画、無料の地元めぐり

Geneva Warneke   によって

胸躍る春。新しい年の幕開け、それが春だ。春には自然が躍動し、憂鬱な寒い季節から私たちを生命溢れる生活へと呼び戻してくれる。茨城県水戸市にある千波湖で、私はそんな体験をした。千波湖は日本最大の庭園の一つ、3月上旬に満開を迎える 10,000 本近くの梅の木で有名な偕楽園のすぐ隣にある。私の家は、裏庭のすぐ外が千波湖と偕楽園という世にも恵まれた立地にある。そんな私がこの幸運を逃すはずは勿論ない。健康のため、毎日遊歩道を散歩することにしている。なんといっても1年の中で、春の散歩が一番楽しい。

冬よさようなら

日本の春といえば桜だ。日本中で皆が桜を愛でつつ春の到来を祝う。雪の玉が枝先にくっついているような満開の桜の姿は、まるでおとぎ話に出てくる光景のようだ。特に桜の花びらが風に舞い散る様子は、本当に雪が降っているようにすら見える。日本の春を告げる桜; これぞ真の日本の姿だ。目を開けて自然をじっくり観察すると、目で見る以上の物を発見することができる。この夜私は自然の多様な側面を体験することができた。沈む太陽から、その体験は始まった。

昨日

まず、どうしてこの日に限って私は散歩にカメラを持参したのか? 毎日同じ木々や白鳥を見ているのに? でも昨日は特別だったのだ。一夜にして野生動植物たちが一斉に目覚めたからだ。

小さな湖のほとりで最近生まれたばかりの黒鳥を見た。そこにはカラフルなチューリップや水仙、デイジーの花壇もあった。花々は可憐で美しい。でも白鳥の雛はもっと愛らしかった。彼らが上げるか細い鳴き声は、まるで小さなおもちゃがチューチュー音を立てているようだ。しかしおもちゃの音よりもっと優しい。丸くて可愛い彼らの頭、よちよち歩くその姿、母鳥に甘えて寄り添い、父鳥をつついて楽しむ様子、まるで効能あらたかなセラピーを受けているようだった! そしてもちろん美しい花々も素晴らしい!

カナダにいる私の友人や家族は、私がどんな所に住んでいるか知りたいに違いない; 別にコンクリートやロボットに囲まれて住んでいるわけじゃなく、日本にも素晴らしい自然がたくさんあるということを彼等にも知ってほしいものだ。

日の出ずる国

地平線上に力強く輝く太陽の光、日本の東海岸の日の出は本当に素晴らしい。水戸に一番近い日の出スポットはひたちなかの大洗海岸だろう。私見だが、もちろん日の出に限らず日の入りも、同じように素晴らしい。

私を信じて

美しいピンク色の日没の後、昨日見た 3 羽の雛鳥を探して池のほとりを歩いた。やっと見つけた時巣は空っぽで、鳥たちは泳ぎに行ったのだろうと思った。日没の写真を更に数枚撮っていると、高声で「クワックワッ」もしくは「クェックェッ」と響く鳴き声が聞こえた。振り返って見ると、なんと 2 羽の黒鳥が取っ組み合いをしているではないか。2 羽ともかなり怒っているようだ。この大試合をカメラに納めようと近づくと、取っ組み合いではなく、単に4羽の鳥が円を描きながら泳いでいるのに気付いた。私の雛鳥はどこ!  あっ、いたいた -- なんて可愛いんだろう!  近付いて初めて事の次第が分かった。彼らのうちの1匹が、何かに引っかかっているのだ -- 浄水機のそばの、コンクリートの破片2枚の間に挟まれている。もっと近づこうとしたが、母鳥が恐ろしく凶暴で手に負えない! まるで近付いたら殺すぞと言わんばかりの剣幕なのだ。我が子を守るためなら死も辞せず、という決死の覚悟が窺え、私の接近をどうしても許さない。仕方なく日本語で「すみませーん」と言いながら、私が何をしているのか訝りながらベンチに腰かけていた老人に近付きこう言ってみた。「すみません、あのう、雛鳥が動けなくなっちゃって・・・でも母鳥がものすごく怒ってて近づけないんです!」

有難いことに老人は私を助けてくれ、苦労して母鳥を追い払ってくれた。私は中に入り、小さな子のお尻を、引っかかった隙間から押し出してやった。ああ、それにしてもあの子、しっかり挟まっていたから、怪我してなければいいんだけど。でも少なくとも彼は無事で元気に泳いでいた!

山田氏(老人)と私は急坂の土手を助け合いながら登った。お互いカタコトで相手の言葉を理解しようと、必死で喋りつつしばらく遊歩道を歩いた。実は彼はずいぶん昔、英語教師をしていたらしい。そしてカナダの事も少し知っていた。彼は私に興味を持ち、いろいろ質問してくれたので、私も嬉しくなり何とか必死で答えた。その後空に展開した素晴らしい光景を目にした後、仲よく別れた。

皆既食

たまたま散歩に出る前、赤銅色の満月の記事を読んだ。詳しくは読まなかったが、4月15日の空に見える、ということだけは分かった。血のように真っ赤な日没の太陽を見た後、まるでその 30 分後に新たに反対方向の地平線に日が昇ったように見えたのだ! 皮肉なことに、こんな時に限ってコウモリの大群が私のすぐ頭上を飛び交っていた・・・にしては全く恐ろしくなかったのが不思議なのだが。この皆既月食はどうやら今後見える4回のうちの1つだったらしい。ウェブサイトには、天文学的、もしくは聖書的ですらある興味深い情報がいろいろ載っている。

春になると我々は、寝床を抜け出し活動的になる。社交的にすらなる。我々を支配しているのは「もの」ではなく、自然なのだ。そして自然が我々を導いてくれる。そんな自然の摂理を理解するのは簡単だ。私達一人一人の生活圏にはちょっとした自然が必ずある。その自然は、出掛ける先々で我々にどうして自然が重要なのかを思い出させてくれる; だって私たちは自然を糧に生きているんだから! 個人的には、私を微笑ませてくれる雛鳥たちや色とりどりの花々があるだけで私は幸せだ。そして自分がショッピング嫌いなことにも満足している! いろんな形を見せてくれる太陽や月が大好きだ。私は必要最低限の「もの」だけで生きるよう努力している。そして単純な現実、自然と一つになって生きる、ことで豊かであろうとしている。

どうやら人間は偶然起こる出来事に、より感動するように出来ているらしい。だから運任せの無計画が一番良い。人生の単純な出来事を楽しもう。見渡せば、あなたの近所にも沢山素晴らしい物が転がっているはずだ・・・しかも無料だ!

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Takako Sakamoto

Takako Sakamoto @takako.sakamoto

I was born in and grew up in Tokushima prefecture, and have lived in many places since then: Nishinomiya, Kyoto, Nara, Mie, Tokyo, Kanagawa, Saitama, Chiba, Fukuoka and Fukui. I am currently living in Yokohama City. All the places I lived, all the places I visited, I have loved dearly. The historical places where people lived, loved, suffered, and fought - places where I can still hear their heartbeats - mesmerize me. I'd like to retrace the footsteps of the people who lived in Japan a long long time ago, and introduce to you what they left behind on this soil.  

Geneva Warneke

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