鶴峯公園の見事なツツジ

3万本のツツジで有名な公園

長野県岡谷市には、中部日本一を誇る3万本のツツジの鶴峯公園があります。

岡谷市は東京からほぼ120キロ北西、長野県のほぼ中央に位置しています。市は諏訪湖の西岸をのぞみ、海抜は約760メートル。人口は53,000人です。

岡谷は昭和初期まで製糸工場で栄え、世界的に「絹の岡谷」として知られておりました。第二次大戦後、人工繊維が絹にとってかわり、岡谷市は時計などの精密工業が主産業になって「東洋のスイス」と呼ばれるようになりました。現在は、精密加工技術を活用して、「スマートデバイスの世界的供給地」となることを目指しています。

大正12年、最大の製糸工場を営んでいた片倉兼太郎は、自分の工場で働く労働者が一人として教育を受けていないことに気づき、地元に小学校をつくり、教育の中心地にしました。1935年(昭和10年)、彼は川岸村(現在の岡谷市)に1.6ヘクタールの土地を寄付し、その土地は公園として使われ、鶴峯と命名されました。片倉家からの土地の寄贈を記念して、村人たちはその公園に300本のツツジを植えることにしました。彼らは、今日でも植木市で有名な埼玉県の安行村からツツジを購入したのですが、注文の際に指3本で300本を意味しました。安行側では、発注者が大富豪の片倉家であるから貨車3台であろうと解釈し、ツツジを貨車に3台分を送ったのでした。

ツツジ300本どころか、貨車3台で運ばれてきたツツジに村人たちは腰を抜かすほど驚いたのですが、戻すこともできず、村人総出で公園に植えました。この誤解がいまの鶴峯公園に発展し、30種3万本を誇る中部日本一の大きさになりました。5月の中旬ごろまで、公園全体が、赤、ピンク、オレンジ、紫、白い花で埋まり、小高い丘の斜面に丸くかたどったツツジが重なる光景には息をのみます。丘の上からは、岡谷市を挟んでアルプス山脈の後ろに富士山の頂上が見られます。鶴峯公園のツツジの絶頂期は5月中旬までですが、今年、2014年は3月の1メートルを超える豪雪のために例年より開花は2週間ほど遅れました。

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