熊本城の城下町を連想させる黒壁に千本格子のはまった店構えの居酒屋濵チャン、看板は居酒屋とあるが実は質の高い日本料理が期待できるのだ。オーナーシェフの濵村さんは30年近く板前としての修行、経験を積み、昨年（2018年）11月に待望のお店をオープンした。まもなく一周年を迎えるが、やってこれたのもお客様が足を運んでくださったおかげと感慨深く話して下さった。
プリメイドされた食材は殆ど用いないということで、その店ならではの味を楽しめる。活きのいい刺身はもちろん、旬の食材を用いた料理、馬刺しなどの郷土料理、そして予約しておけば河豚も食せるのだ（11月から２月まで）。厳選された新鮮食材に板前ならではの技術が加えられ、美しい料理が生まれる。箸をつける前に丹念に作られた芸術品のような料理を目で堪能していただきたい。透き通るように薄く造られたふぐ刺し、素材の味にさくさくした食感の加わった天ぷら、味のしみこんだホルモン煮など、見た目も味もすばらしい。毎日変わるおススメ、定番のメニューと料理の種類も多いので何を注文するのか悩んだなら、フレンドリーな奥さんに相談してみよう。
お店ではしっかりとした食事を楽しむことができるだけではなく、大の酒好家という濵村さんのセレクションで日本酒、焼酎、ワインなどもきっちりと揃っているのでゆっくりとお酒を飲みながら時間を過ごすのも乙。お酒と食べ物の相性など興味深い話を聞かせてもらえるだろう。
お店の入り口の大きな壺には季節の花が生けられ、抹茶色の壁には恵比寿天と大黒天が祀られ商売繁盛を見守る、とごくシンプルなインテリアだが清潔で粋な雰囲気を醸し出している。お店はカウンター4席、テーブルが2つと小さめなので週末などは是非予約をしてからでかけよう。
