渡月橋は京都・嵐山の大堰川(桂川)に架かる橋である。承和年間(834-48)僧道昌が架橋したのが最初だ。現在の位置には、江戸時代、門倉了以が建設したとされる。亀山天皇が橋の上を移動してゆく月を見やって「くまなき月の渡るに似る」と述べたことから渡月橋と命名された。現在の橋は1934年に建設された。橋脚と橋桁は鉄筋コンクリート製だが、景勝的観点から欄干部分は木製となっている。長さは115メートル。暮れ泥む西の空を渡月橋から眺めるのは誠に風情がある。嵐山の稜線を境に、緑から黒へと沈んでゆく山の濃さが、刻一刻と鮮やかさを失っていく雲のあかね色の対比は切ないほどに美しい。
京都嵐山「渡月橋」
桂川と嵐山を彩る美しい木橋
Shozo Fujiiによって
コミュニティライター
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