ニセコとその近郊エリアを満喫する方法は数多くありますが、9月中旬から11月上旬に運行する、蒸気機関車牽引による臨時列車「SLニセコ号」に乗車して、秋の北海道を駆け抜けてみるのもその一つです。
SLニセコ号は、観光客を呼び寄せることを目的に2000年に運行開始。以来、多くの利用者を魅了してきました。列車は土日祝のみの運行で、札幌発、小樽、倶知安、ニセコの順で停車し、その後、蘭越で折り返し運転となります。チケットは毎年発売と同時に完売する人気ぶりで、観光客呼び寄せキャンペーンは見事に成功したと言えるでしょう。
チケットが入手出来なかった場合でも、SLニセコ号の車窓外に広がる同じ景色を違った形で味わうことができます。指定席の発券は札幌駅ー倶知安駅間のみで、小樽空港駅から蘭越駅まではフリーエリアとなっているため、普通・快速列車に乗り換えたり、途中下車も可能となっています、倶知安駅ー蘭越駅間は自由席のみなので、そこで乗車するチャンスもあります。
お昼前に到着する倶知安駅では、円形機関車庫内で伝統的な列車の点検が行われ、その後、羊蹄山の麓を流れる後志川に沿って列車は走行し、30分ほどかけて蘭越駅に向かいます。指定券を持っていた乗客の多くは、ツアーパッケージの一部でもある温泉や郷土料理を目的に倶知安駅とニセコ駅で下車するため、最後の区間は自由席として利用できる可能性があります。
車窓から窺える秋の景色を眺めながら(特に10月1〜2週目はお勧め)、持参したお弁当を広げて午後のひと時を過ごすのも最高です。景色の合間には、期間限定の魅力的なこの列車を被写体にと、線路の際に構えるカメラ小僧を何度も通過しました。
レトロな車両や当時のユニフォームを着用した車掌もより雰囲気を出してくれています。乗車しないのであれば、走るSLニセコ号の美しい姿態を、カメラ小僧のいた地点に立って外から眺めてみるのもいいものです。