長瀞ラインくだり

清流に乗って、大自然が創りあげた渓谷美を満喫する

ときに荒々しい急流、ときにゆったりとした流れ。手漕ぎ船で、刻々と移り行く大自然が楽しめる、長瀞ラインくだり。その歴史は古く、明治半ばには船下りが始まり、観光目的となったのは大正4年から。今では年間乗船者数20万人という人気のアクティビティです。

魅力は、変化に富んだ流れと、何と言っても迫力のある渓谷美。秩父盆地の水が集まった荒川が、悠久のときをかけて、岩を穿(うが)ち、個性的な景観が生まれました。その美しさとともに、地質学的にも貴重とされ、長瀞は大正13年に国の名勝及び天然記念物に指定されています。

川幅が狭く、落差が大きいため、スリリングな急流となる「小滝の瀬」。長さ500mに渡って、畳状の平らな岩が無数に重なっているように見える自然岩石「岩畳(いわだたみ)」、「秩父赤壁(ちちぶせきへき)」は、高さ数十mの絶壁で、あたかも中国の山水画のような趣です。亀やカエルのような不思議な形の奇岩など、注目スポットもたくさん。

四季折々、表情を変える岸辺の風景も目を楽しませてくれます。春には、岩畳に群生する野生の雪柳が白く可憐な花をたくさん咲かせます。見ごろは3月下旬から4月中旬。初夏には、清々しい新緑が迎えてくれます。秋の紅葉の時期は11月中旬ごろ。岩壁に赤や黄色の紅葉が映え、見事なコントラストです。

ラインくだりは、上流のAコース(親鼻橋~岩畳)、下流のBコース(岩畳~高砂橋)、そして全コース(親鼻橋~高砂橋)の3タイプ。速い流れのスリルを味わいたいならAコース、ゆったりと景色を楽しみたいならBコースを。所要時間はA、Bコース各3kmで約20分、全コース6kmは40分ほど。

ラインくだりが運休になる厳冬期は、こたつ舟があります。のどかな光の中、暖かいこたつに入って、船頭さんのガイドを聞きつつ、岩畳付近をのんびり周遊。寒い季節のちょっと乙(おつ)な楽しみ方です。

Information 

★長瀞ラインくだりは3月中旬〜12月上旬運航、こたつ舟は1、2月運航。ともに増水、渇水の場合は運休。

★長瀞ラインくだり乗船料A・Bコース各=大人(中学生以上)¥1600/子供(3歳以上〜小学生)¥800  全コース(1日5便の定期運航)=大人¥3000/子供¥1400 こたつ舟乗船料=大人¥900/子供¥500

★長瀞駅周辺の発売窓口などで乗船券が購入できる。予約不要。電話&WEBによる事前予約、インターネットクーポン、前売り券のいずれかを利用で、割引料金になる。

★10名以上の団体は事前予約が必要。団体料金となる。予約は長瀞ラインくだり案内所(本部)へ。

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