東京には多くの美術館が存在し、いわゆる“お固い”美術館という枠を取り払い、気軽に入れるような現代美術館がある。
その中の代表が、ここ東京都現代美術館 だろう。
いつの日か私は、クレイジーな装飾品や、全く意味が分からない写真や奇抜すぎる絵といった現代美術に魅せられファンになった。せっかく東京にいるのなら、この現代美術オタクになれるチャンスを逃す手はない!
日本人アーティストを誰も知らなくても、現代アートに興味があるのならぜひ一度、東京都現代美術館に行ってみることをお勧めする。
どんな美術館も、建物自体が芸術でありその周りには興味が湧いてくるような装飾が施されていることが多い。例に漏れずここも十分楽しませてくれる。まずは、入り口正面にある特別展示(通常2、3つある)を十分味わったら、メインホールでゆっくりリラックスをしながらアートの世界を感じ、通常展示へ向かう。
この美術館は、主に日本人の作品を扱っているのだが、伝説のAndy Warholの“マリリンモンロー”といった貴重な海外からの作品もある。また、特別展示の海外アーティストは、著名なアーティストの作品も多い。
ずばり私が日本の現代美術を好きな点は、一見、何を表現されているかさっぱり分からないということだ。自分なりの解釈を見つけようと、床に寝転んで角度を変えてみたり試行錯誤しながら、様々な角度からイリュージョンの答えを見つけようとするのである。
最も理想とされているヨーロッパの現代美術とは反対に、日本の現代美術は感情、色彩ともに非常に豊かで、一言では説明できないような魅力を持っている。だからと言って、作品の意味をだけを追求しすぎるのではなく、作品そのものを感じて楽しむべきだろう。主要なコレクションの数々は、深く心に残るようなとても力強い印象を与えるのではないだろうか。
もし興味を持つ作品を見つけたら、パンフレットの作品紹介で満足するのでなく地下1階の美術図書館でもう少し作品への理解を深めるというのも、ひとつの楽しみ方だろう。地下の図書館では、現在展示されている作品について様々な資料があり、日本語、英語などの多数の言語で用意されている。
慣れない芸術鑑賞で疲れてしまった時は、二階にあるベトナム料理とコーヒーのお店Café Hai、もしくは地下一階にある昔ながらの洋食屋さんcontent restaurantで一休みをしてみてはどうだろう。
この美術館は渋谷や六本木といった“現代的な”おしゃれな街にある訳ではないが、近所にある木場公園でのんびりしたり、清澄白河庭園や富岡八幡宮を散策したりと、現代と伝統を両方味わえるのは東京都現代美術館だけではないだろうか。