永遠の泰平を願う寺、永平寺は、福井で最も有名な観光スポットの一つだ。たとえ福井県がどこにあるか知らなくても、永平寺の名は聞いたことがあるに違いない ( 恥ずかしながら、私もそうだった! )。その知名度は、この寺が単なる禅寺ではなく、二つある日本曹洞宗大本山の一つだという、その重要性に起因するのかもしれない ( もう一つは神奈川県横浜市の總持寺だ )。また永平寺は曹洞宗の第一道場でもあり、常時200~300人の修行僧たちが、最短2ヶ月から最長2年間の長きにわたり、たった1枚の畳の上で寝起きし、食事し、瞑想する、という修行生活を行っている。前回訪れた際、何人かの修行僧と話をする機会を得たが、一人は「まだ3ヶ月目です。」と言い、もう一人は「4ヶ月目です。」と語っていた。彼等は一様に礼儀正しく控え目で ( その上全員裸足だ! )、日夜悟りを会得するため修行に励んでいる。
永平寺は1244年、道元禅師により創設された。彼は中国に渡り4年間修業した後、日本に曹洞宗を開いた人物だ。彼の遺骨は永平寺「承陽殿」に安置され、道元およびこの伽藍は日本曹洞宗のいわば聖人・聖地として、多くの信者の尊崇を得ている。
この寺は福井県郊外の深い森の中にあり、境内の面積は33万平方メートル ( 0.13平方マイル ) に及ぶ。これは東京ドーム25個分の広さだ。境内に一歩足を踏み入れれば、そこは禅の世界、まるで森の精が耳元に囁きかけてくるかのような錯覚に襲われる。そこにいるだけで、身も心も癒されるのだ。
坐禅セッションやトレーニングには一般人も参加できる ( 事前予約が必要だ )。また、もし永平寺の美に取り憑かれ、どうにかしてこの美しい寺院と一体化したいと望むなら、1000円寄付することで、伽藍屋根瓦の修復に貢献することができる。更にこんな方法もある。写経セットを購入して写経すれば、自分が書いたお経を、静かな森に佇む美しい二重の塔、報恩塔に納経することができる。費用は写経セット合わせて2000円だ ( 私はこの美しい永平寺の一部とならんがため、両方やってみた! )。詳細については下記リンクから永平寺徹底ガイドをご参照頂きたい。また、ここから他の永平寺の写真もご覧頂ける。
永平寺徹底ガイドシリーズ
01: 永平寺、その静かな参道
02: 永平寺の小さな神社たち
03: 永平寺の唐門
04: 永平寺の吉祥閣
05: 永平寺の傘松閣
06: 永平寺の承陽殿
07: 永平寺の仏殿
08: 永平寺の法堂
09: 永平寺の大庫院と浴室
10: 永平寺の中雀門
11. 永平寺の華麗なる山門
12: 永平寺の鐘楼堂
13: 永平寺の報恩塔
14: 永平寺の祠堂殿
車がない場合、永平寺へ行くにはバスが一番便利だ。京福バス ( 永平寺ライナー ) が1時間に1本JR福井駅東口バス乗り場から出発している ( 大人720円 )。永平寺までは約30分の乗車だ。車で行く場合は、寺の近隣に有料駐車場もある。永平寺の参拝料は大人一人500円だ。福井に来た際には、是非この永平寺を訪れ、身も心も癒されてみよう!