明治・大正期のキリスト教指導者、内村鑑三の功績を記念して建築された「石の教会」は、軽井沢の星野エリアにあります。この教会の建物は、太古の昔からそこにあったかのように、すっかり周囲の森にとけ込んでいますが、実はまだ築20年余の建物です。アメリカの建築家、ケンドリック・ケロッグ(1934-)が設計し、1988(昭和63年)に完成しました。ケロッグは、この場所の空気や水の流れ、山の斜面など、周囲の環境を壊さずに建物を作り上げたと言います。1990年頃に初めてこの教会を見学したとき、私はその斬新なデザインに強い衝撃を受けました。石とガラスのアーチが幾重にも重なり合う外観は、近未来的でありながら、原始の生物をも思わせる不思議な造型です。ケロッグによれば、石が男性を、ガラスが女性を象徴しているとのことです。地上部分は礼拝堂で、信教によらず、結婚式をあげることができます。地下部分には内村鑑三筆の英字の書や、写真などが展示されています。
シリーズ:中軽井沢の素敵な教会
- 軽井沢 高原教会
- 軽井沢 石の教会