軽井沢高原教会は、しなの鉄道「中軽井沢」駅から国道146号線を北へ、車で5分ほど走ったところにあります。木立の中に佇むこの教会は、軽井沢を代表する観光スポットのひとつです。しかしかつて、この場所にあったのは教会ではありませんでした。1921(大正10)年に、キリスト教思想家の内村鑑三により命名された「星野遊学堂」がこの教会の前身で、初めは小さな講堂でした。「遊んで楽しむ。心から楽しいと思えば、そこから何かを学び取ることができる」という思想のもと、北原白秋や島崎藤村など、多くの文化人が集い、芸術論などを熱く語り合いました。戦後は軽井沢高原教会と名前を変えて、キリスト教信者の礼拝の場であるとともに、コンサートや結婚式など、より多くの人々に開かれた教会となりました。近くには星野温泉や野鳥の森など、自然に親しむ様々なアクティビティがあります。
祝祭日は、たくさんのカップルがここで結婚式を挙げます。私が教会を訪れた日、高原の美しい緑の中で、ウェディングドレスに身を包んだ新婦に、牧師さんが式前の言葉をかけていました。教会の扉の向こうでは、二人の門出を祝福する家族や友人たちが、花嫁の登場をじっと待っていました。
シリーズ:中軽井沢の素敵な教会
- 軽井沢 高原教会
- 軽井沢 石の教会