鹿児島はその街の大きさにしては、素晴らしい美術館の宝庫です。街には市営美術館、中村美術館をはじめとして、見事な美術品の数々を誇る長島美術館もあります。この美術館は街より小高い丘の上にあり、鹿児島湾と桜島火山を眺められるうらやましいほど素晴らしい立地条件にあります。
素晴らしい彫刻群を通り越したところに、ちょっと良い気分にさせてくれるロダンの「考える人」がある入り口にたどり着きます。広々とした展示室、落ち着いた金色の壁に柔らかい照明がリラックスした雰囲気を醸し出し、最初の展示室には地元のアーティスト達の絵が分野ごとに上手く配置されてます。例えば静物画、氷山で座礁した船の画、印象派的な桜島の図など。次の二つの展示室はヨーロッパのアーティストに割り当てられています。すぐ隣の展示室にはシャガール、ルノアール、セザンヌ、ピカソなどによる、肖像画とキュービスムの絵で占められて、その隣の展示室は完全にアリスティド・マイヨールで占められています。彼の名前をここに来る前は聞いたことがなかったのですが、彼のエレガントな裸婦の像とスケッチを楽しみました。
階下の部屋は全て工芸品とアートクラフトで、一つは、ラテンアメリカから掘り出された考古学的作品群。それらは彼ら古代人の作った織物、ポット、可愛らしい陶器の立像とかです。もう一つは沖縄の古代先住民族、琉球人によって制作されたポットやライオン像。一番大きな展示室には一番美しく興味深い作品があります。複雑で繊細でカラフルな七宝焼などがそうです。例えばポット、花瓶、1メートル以上の高さに及ぶようなランタンなど。それらのほとんどは物語のシーンからの金色の聖者、取り乱した戦士、着飾った学者などを描写しています。花瓶の一つは、その花瓶によじ上っている猿と、中国十二支の動物をカラフルにあしらっていて、驚ろくほど素晴らしい。
見学するべき物がたくさんあったので、途中で休憩をし、庭をそぞろ歩きながら彫像や素晴らしい景色を楽しみました。ここを訪問したもう一つの理由は、混み合う筈の週末でさえも見学者が少ないこと。なので自分のペースで見学出来て、大好きな作品の前では思う存分作品を眺めていられたことです。
展示室や庭の楽しみと同様に、絵はがき、バッグ、プリント、書類入れなどを販売している商品スタンドもあります。そして外に出ることなく景色を楽しみたいときは、カメリア・カフェ/レストランの大きな窓がわの席を陣取って軽食や食事を楽しみながら火山観賞が思いっきり出来ました。