私が大安禅寺について知ったのは、ほんの偶然からだった。6月になり菖蒲の花が見たくなった私が尋ねたところ、友人達が大安禅寺に行け、と薦めてくれたのだ。とはいえその友人達も行ったことはないと言う。どこかでこの寺の花菖蒲祭りの話を聞き、知っていただけなのだ。友人達から情報を得られず仕方なくインターネットで調べてみると、それほど遠くないことが分かった。福井市中心部から北西方向に30分ほどドライブすれば着くらしい。
行く直前、寺の歴史を調べてみた。この寺は1658年、福井藩第4代藩主、松平光通 (みつみち) により、福井松平家の菩提寺として建立されたらしい。寺の裏山には福井松平家の廟所もあり、歴代福井藩主10人の墓が建っている。臨済宗妙心寺派に属するこの寺では観光客向けに座禅会も行っている (要予約)。殆どの寺社内建築物が、1658年建立時そのままの状態で保存されており、中でも5つの建物は2008年に重要文化財の指定を受けている。この場所はかつて山一帯に48もの堂塔を擁す巨大寺院町だったが、1574年の織田信長の越前進攻に伴い全山焼失した。その84年後に今の大安禅寺が建築されたというわけだ。
なるほど、興味深い歴史、貴重な文化財、福井松平家の廟所まであって、そんなに遠くない・・・何より地図を見ると、デカイ! これは探索するのにもってこいの場所に違いない!
興奮した私は早速行ってみた。結果どうだったかと言えば、期待以上の素晴らしい寺だった。この寺で発見した数々のお宝について別に記事を書いたので、是非読んでこの寺についてもっと知ってほしいと思う。
1. 福井 大安禅寺のあじさい
2. 大安禅寺の「花菖蒲祭り」
3. 大安禅寺の仏像
4. 美しき大安禅寺: 福井
5. 福井松平家廟所
6. 福井の歌人、橘曙覧の奥墓
大安禅寺へは、車で行くのが一番だ。しかし旅行中で車がない場合は、JR福井駅発の京福バス (川西行き) に乗り、大安門前バス停で下車 (約30分)、下車後20分歩くと到着する。無料駐車場もあり、拝観料は大人1人500円だ。