日本三大随筆の一つとして名高い「方丈記」。「ゆく河の流れは絶えずしてしかも元の水にあらず・・・」と、日本人なら誰でも知っているこの書き出しで始まる「方丈記」は世の無常と人生の儚さを表した名作である。その著者である鴨長明は、下鴨神社摂社河合神社の禰宜長継の次男として生まれた。思うに任せない我が人生を省みた晩年の長明は、50歳の春、宮中の宴席を突然辞し隠遁と放浪の生活を始めた。しかも、方丈という組み立て式の住み家を荷車に乗せ引いて大原辺りを転々と移り住んだという。3メートル四方の板葺きの簡素なプレハブ住宅に、琵琶や笛を置き、壁には仏画を掛けて歌を詠み琵琶を引き念仏を唱えるという生活を行った。方丈での生活は修験者の暮らしそのものであった。「方丈記」はこの方丈から名付けられたのである。
京都・河合神社、鴨長明の「方丈」
日本三大随筆「方丈記」の謂れである方丈を見る
Shozo Fujiiによって
コミュニティライター
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そうですね。長明の生きた平安末期から鎌倉の時代は戦(いくさ)という露骨な権力闘争で国土も民も疲弊していました。そういう意味では諸行無常、生きることの儚さや虚しさはひとしおに長明の胸に刺さったのではないかと思います。ぜひ、原典で「方丈記」お読みください。
Yui Yamaguchi
9年前
方丈とは、そんな意味があったのですね。現代はエッセイ、ブログなどでその著者の生活パターン、考え方などを知ることができますが、方丈記も同じでしょうね。もっとも、古典なので、どんな文体で、どこがユニークな表現だとか分かりにくいとは思いますが。
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