芝山潟は、小松・加賀両市にある今江潟、木場潟と並び称される加賀三湖の一つだ。
山中町の奥、小大日山の谷間を水源とする動橋川(いぶりばしがわ)が流れ込む。
鶴仙渓がある大聖寺川の東をこの動橋川は流れ下る。
承応2年(1653年)、芝山潟で温泉が発見されるや早速この潟の干拓が試みられたが当時の土木技術ではそれが叶わなかったようで、本格的な開発は明治時代以降となった。
片山津温泉は、芝山潟の縁を埋め立てて誕生した。
山代、山中と並んでこの片山津温泉は加賀温泉郷として大いににぎわい、京阪神を中心に一時は年間150万人もの旅行客を集めたが、現在ではその20%の水準にまで落ち込んでいる。
日本人のリゾートへの趣向が変化している証左なのだが、もちろん温泉関係者の方々は次の手をいろいろと打っているようである。
そんな人間の思惑などどこ吹く風とばかり、今日も湖面には美しい渡り鳥たちがえさをついばみ羽づくろいをしながら避寒を楽しんでいるようだ。
この芝山潟の中央辺りの湖底に温泉の源泉があるため水温が割合い高く、特に冬季は野鳥のサンクチュアリとなって、鴨などの渡り鳥がたくさん越冬しているのである。
そのような渡り鳥もそろそろ極北の地へと帰る頃だろうか。
湖面の鴨の群れもまばらになってきた。
遠くには雪解け間近の白山連邦。
今日は昨日の冬ならず。
冬の終わり、水面のきらめく明るさはいいものである。