福井・武生(たけふ)のB級グルメ 「ボルガライス」

ユーモラスで真面目な「ボルガラー協会」と、美味しいボルガライスを供する「和伊屋」

Shozo Fujii   2014/01/05によって

昨今、国を挙げてB級グルメが大盛り上がりである。

ご存じの通りB級グルメとは、安価で日常的・庶民的な飲食物を表す。

それも、伝統的な郷土料理とは意を異にした焼きそばやカレーライスのような今日風な料理を指すことが多い。

 福井のB級グルメと言えば、ソースカツ丼が広く認知されているところだ。

ところが最近、武生を発信源として「ボルガライス」なる料理が知名度・注目度急上昇なのである。

この「ボルガライス」を街興しの起爆剤として活動しているのが「ボルガラー協会」である。「ボルガチョフ」と自らを呼ぶその会長、波多野氏は、

「ボルガライス、美味しいんですよ。この愛すべきソウルフード。

改めて地元の名物としてね、全国に打って出たいんです! 」

と、語る言葉はめっぽう熱い。

 では、 ボルガライスとはそもそも如何なる料理なのだろう。

協会によると、基本的には、「ライス、卵、トンカツ、それに各食堂それぞれのソース。この4点を加えたもの。ただしカレーは除く」 、これがボルガライスと呼称される基準であるらしい。

 「簡単に言うと、オムライスの上にトンカツが乗っている料理、です。」

とは前出の波多野さん。

しかしながら、オムライス一つ取ってみても、卵を薄く焼いてケチャップライスを包み込んだオーソドックスなオムライスもあれば、ふんわりのオムレツがライスの上に重ねられたものもある。

トンカツにしても厚さや肉の部位もいろいろだ。

それはそれぞれの店のこだわりの領域である。

 これまでボルガライスというものを未だ食したことがなかった私は、百聞は一見に如かずとばかり、とあるレストランを訪れた。

「和伊屋」。

武生市の郊外にある「常安楽院」という禅寺を店舗としているユニークなレストランだ。十割手打ちそば(和)とパスタ(伊)を出すので「和伊屋」と、ネーミングが何だかユーモラスだ。

それに、ボルガライスもメニューに加えている。

三十余歳にして宮仕えから料理職人へと転身した主人、山崎清世成さん。

笑顔で出迎えて下さり、一階の畳座敷へと導きいれると早速、ボルガライスを出してくれた。

 「私のこだわりは、季節感のある料理を楽しんでいただきたい、ということなんです。」と山崎さん。

日本には美しい四季があり、それぞれに美味しい季節ならではの食材が豊かに在る。

どんなB級グルメであろうと、無国籍料理に堕してはならない。山崎さんの心をそう私は解釈した。

トマトソースで炒めたライスにはサトイモ、カブ、そして冬ねぎが味わいをふくらませている。

「冬のねぎは、中がとろっとしていて一年で一番美味しいんですよ。これを活かしたいと思いました。」

 なるほど、噛みしめると一匙毎に口の中にいろいろな野菜の味わいが広がる。

さらにふわふわのオムレツが柔らかくとろける。

脂身が美味しいカリカリっと揚がったトンカツ。その上にはコクのある豚ミンチミートソースがかかっている。

豚肉の味わいの違いを楽しませてくれる組み合わせの妙である。

 これは面白い料理だ!加えてたっぷりとしたボリュームで、男性でもこの一皿で満腹になる。

「あちこちのお店のボルガライスを食べました。で、これが私のボルガライスです。」と、山崎さんは優しい笑みを浮かべて語る。

「 ボルガライスを通じて、地元民も含めてたくさんの人が越前・武生の良さに気付いてほしいんだなあ。 これが我々の目指すところなんです。」と、現実を見据えながら語る波多野さん。

多くの料理人とレストラン、さらに武生の人たちをも巻き込みながら、このボルガライス、徐々にファンの波紋を広げている。

 ぜひ、お試しを。

Shozo Fujiiさんによって書かれました。
ジャパントラベルのパートナー

会話に参加する