今年の3月、越前市の味真野苑を訪れたついでに、たまたま近所で見つけた平家一門の菩提寺、城福寺を訪ねてみた。平家一門の菩提寺、という言葉に魅かれただけでなく、国指定の名勝庭園を一目見てみたかったのだ。参拝時境内には人っ子一人おらず一旦は諦めかけたが、最後にダメ元で玄関のドアを叩いてみた。中から高齢の男性が出てきて「未だ公開準備が出来ていない」と言いながらも、親切に庭園を案内してくれた。この庭は江戸時代中期、元禄年間に作庭された借景築山式蓬莱枯山水庭園で、越前福井松平藩主が代々参詣し愛でた庭だ。庭前には藩主御成りの間も保存されている。一般公開前で苔庭の苔はまだ枯れた状態だったが、庭園も御成りの間も貸し切り状態だった。新緑の輝く5~6月にはさぞや美しいことだろう。参詣時誰もいなくても、是非門を叩いてみてほしい。きっと案内してくれるはずだ。運が良ければ平家の末裔に会えるかもしれない!
福井越前: 城福寺庭園
歴代福井松平藩主が愛でた国指定名勝庭園!

Takako Sakamotoによって
コミュニティライター

松平福井藩主御成りの間に飾られた美しい琵琶

苔庭に配された礼拝石。松平福井藩主は代々この石を渡り、中央に配された本尊石を礼拝したそうだ。

日野山系を借景した庭園。春霞に隠れ、残念ながら山は見えなかった。

色変わりした衝立

中央の畳上に飾られた写真は、福井松平家現当主が城福寺を参詣した折に撮影されたものだそうだ。

庭の奥に配された本尊石が見えるだろうか? 御成り部屋の床柱から礼拝石、本尊石が一直線に結ばれた作庭らしい。

借景の日野山のクローズアップ。春の拝観期前には伸びた笹等を手入れし、もっと見えやすくするそうだ。

越前福井松平藩主御成り座敷の全景。江戸時代には歴代藩主が毎年参詣し、庭を愛でたという。

物々しい御成り座敷だが立ち入り禁止ではなく、手に触れ写真撮影もさせてもらえた。

庭園の茶室

平安時代の公達を描いた襖絵

庭園の椿
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