木屋町通を歩く。
木屋町通とは京都高瀬川沿いの、北は二条通から南は七条通まで、およそ2.8キロメートルの道路である。
四条には先斗町。
鴨川の橋を渡れば祇園。
いかにも華やいだ雰囲気が歩く人の気持ちをそそらせる。
江戸・慶長年間に豪商角倉了以により高瀬川が開削され大阪と京都が水運で結ばれると、薪、木材が高瀬舟で運ばれ、やがてこの一帯は材木問屋の倉庫店舗が建ち並ぶようになり、以来、木屋町と称されるようになる。
七条から鴨川沿いを北に上る。
高瀬川沿いに延びる木屋町通をぶらぶら。
四条通りに出ようかという辺りに団栗(どんぐり)橋がかかっている。
そのたもとに小洒落た居酒屋があるので近寄って見る。
「まんざら亭」。格子戸を開けて中に入ると、すっきりとしたカウンター席に通される。
料亭のようなこざっぱりした店内からは町屋風の格子戸越しに宵の鴨川と向こう岸の祇園の灯りが見える。
日本人の大好きな「とりあえずビール」で私の京の宵酔いは始まった。
酒肴は少しも肩肘張らず気取らないおばんざいである。
そして値段も一皿、一鉢4,5百円と左党にはまことに嬉しい。
味わいもこれまた良い。
2時間のゆっくりとした晩酌を堪能して店を出る頃には雨脚も弱まって、「木屋町ぶらぶら、宵良い酔い~♫」で木屋町ふらふらと相成った。