本川越駅を降りて、蔵造の街並みを散策。童心に戻って袋小路をあちこち探しながら辿り着いた先に、カワイイ教会のような西洋料理店があります。人が集まる明るいお店になるようにと「太陽軒」と名付けた思いの通り、今日も驚きと楽しみに満ちた大正ロマンの香りを求めて人々が集っています。
国登録有形文化財になっているこちらのお店は、クールジャパンとして人気の某戦隊ヒーローや映画のロケ地としても知られており、そうした建物のファンも多く集います。その一方では、創業当時から三世代にわたって愛され続けているお店。幅広い年齢層に、気取らずに食べて頂けるようにと料理がお箸で提供されていたり、2階お座敷にテーブルと椅子が用意されていたりと、年配の方々も足を運びやすいよう、細やかなおもてなしの心があふれています。
ここ川越はお芋が名産地です。それだけに、料理やビールなどにも使われており、それらがお店で楽しめます。例えば「おいも美人」というコースでは、西洋料理には珍しく、前菜からデザートまで少しずつお芋が取り入れられています。お芋を使った川越の地ビール「COEDO紅赤BENIAKA」もリニューアルされ、芋の風味はそのままに、甘さすっきりビール独特の苦みを増し、より一層お料理にマッチした味わいになっています。
梅や豆腐・狭山茶・柿やよもぎなどの和の食材を、コンソメやクリームソースなどで洋風の味付けにしたり、洋の食材に醤油やダシのきいた和風の味付けをしたりと、和と洋が調和するように織り交ぜられたスタイルの西洋会席では、日本の食文化を初体験するのになじみ易いものとなっています。
ステンドグラスから洩れる柔らかな美しい光の中、大正ロマン・昭和レトロの時代に思いを馳せながら、西洋料理の食文化を堪能する、ちょっと贅沢なタイムスリップを楽しんでみるのもいいですね。