本物の忍術屋敷

驚くほど実物は目立たないように作られています。でも………

滋賀県の南東、甲賀市甲南町竜法師(こうがしこうなんちょうりゅうぼし)という所に、本物の忍術屋敷があります。元禄時代ですから、300年ほど前に建てられた本物の忍術屋敷です。

甲賀忍者は、530年ほど前に忍びの術を駆使し、甲賀武士として世に頭角を現しました。戦乱を生き抜き子孫に伝えたKnow-howがこの屋敷には詰まっていました。

表から見ると、藁葺の平屋ですが、中に入ると中2階を含む3階建てになっていて、奥の座敷に案内された敵は、中からは容易にあけられない戸や、どんでん返しのある通路、3mもの深さの落とし穴、監視される部屋などで屋敷の住人を取り逃がす事になります。テーマパークの忍者屋敷でみられる原型がここにはあります。

 中2階には、かくし梯子を使って上がるようになっていて、梯子を引き上げると全く孤立した空間となってしまいます。追手から逃れるために使う事を想定したのでしょう。中二階の天井は低いところで1.1メートル、高いところで1.5メートルと非常に低く、追ってきた敵が刀を容易に振り回せない構造になっています。反面忍者は刀身が短い忍者刀(展示されています)を使って戦いを有利にしたのでしょうね。

また、落とし穴は屋敷全体の地下に通路として広く掘られており、この通路から屋敷外へ抜ける抜け道ともなっているようですが、現在はほとんどが埋まってしまっています。

近代になり、忍者の必要がなくなったことから、この屋敷の秘密が伝わらなくなっていましたが、学術調査の手が入り、近年この辺の事が解明され、一般に紹介されるようになりました。また、手裏剣投げの体験ができるスペース、忍者の衣装の販売等のサービスもされていて親しみやすいスペースとして楽しめます。

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