龍口寺「湘南龍の口骨董市」

江の島で宝探し

かつて鎌倉に住んでいた頃、裏通りを探索し「日本的なもの」を撮るのが好きだった。注意深く観察すると、ちょっと歩きまわるだけで驚くほど珍しいものが見つかるのだ。同じことが日本の骨董市にも言える。江の島にほど近い龍口寺で、毎月第3日曜の早朝から日没まで開催される骨董市がその良い例だ。

龍口寺そのものは何の変哲もない普通の寺だ。取り立てて古くもなければ大きくもなく、他の寺のように荘厳さに圧倒されることもない。が、どうやらこの寺は、かつて処刑場だったらしい。1271年、かの有名な日蓮上人が今にも処刑されなんとする数秒前、頭上に目の眩むような閃光が煌めくや雷鳴轟き処刑は中止、結局日蓮は流罪となった。この奇跡を次代に語り継ぐため、50年後に龍口寺が建立された、といういきさつがある。

この寺の骨董市は抜群だ。入場は無料で、寺の敷地には骨董商の品物が所狭しとぎっしり並ぶ。季節、または天候にもよるが、多い時には80もの業者が商いに精を出す-----掘り出し物もあれば、とんでもないがらくたもある。でも、それを見極めるのが実に楽しいのだ。以前、なんと寺の門扉が売られていたのに驚いたことがある。巨大だが恐ろしく美しい代物で、知恵となけなしの財布を絞り、如何にして自宅に飾るか考えに考え抜いたが、最終的に降参した。正しい選択だった、と今でも思う。のだが、未だ切なく思い出しては、買えばよかった、としばしば後悔する。私の恋したあの美しい門扉は今、何処にあるのだろうか?   ところで、他にここで見つけた掘り出し物には、能面、陸軍勲章、人形、道具、などがある。

この骨董市の雰囲気を味わって頂くため、どんなお宝が見つかるのか、参考までに写真を載せてみた。ご覧頂くと分かるように、かなり色とりどりで、それほど高価ではない。ここの業者は価格には極めて柔軟なので、きっと素敵な記念品を買って帰れるに違いない。

<その他の骨董市>

ところで湘南エリアでは年間を通じ、他にも骨董フェアや骨董市が行われている。参考までに下記にリストを挙げてみた。

★「湘南鎌倉 光明寺(こうみょうじ) 蚤の市」・・・・20~30の業者が出店

・住  所: 光明寺 〒248-0013 鎌倉市材木座6-17-19 TEL:0465-35-2766

・アクセス: JR鎌倉駅からバス7番のりばより小坪経由逗子駅ゆき光明寺前バス停下車

・スケジュール:毎月第4日曜日開催、8:00 a.m.~日没まで

★「湘南藤沢 遊行寺(ゆうこうじ) 骨董蚤の市」・・・・50以上の業者が出店

・住 所: 遊行寺 〒251-0001 藤沢市西富1-8-1 TEL:0465-35-2766

・アクセス: JR藤沢駅より徒歩15分

・スケジュール: 毎月第1土曜日と第4日曜日開催、8:00 a.m.~日没まで

★「湘南 骨董蚤の市 飯泉観音 勝福寺(いいずみかんのん しょうふくじ)」・・・・20~30の業者が出店

・住 所: 勝福寺 〒250-0863 小田原市飯泉1161 TEL: 0465-47-3413

・アクセス: JR小田原駅よりバス、観音前下車

・スケジュール: 毎月第3日曜日開催、8:00 a.m.~日没まで

★「湘南 骨董蚤の市 川東タウンセンター」・・・・20~30の業者が出店

・住 所: 〒250-0872 小田原市中里273-6 TEL: 0463-35-0813

・アクセス: JR東海線、JR鴨宮駅下車徒歩15分

・スケジュール: 毎月第2第3日曜日開催、8:00 a.m.~日没まで

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Takako Sakamoto 翻訳家 10年前
是非行ってみて下さい! にしても寺の門を本気で買おうとするところがすごいですよね。骨董ファンとはそんなものでしょうか・・・?! 私はせいぜい陶器買うぐらいだろうなあ(-_-;)
Shozo Fujii 10年前
骨董市を心から楽しんでいらっしゃる様子が伝わってきます。骨董って不思議ですね。過ぎた時間のかなたで誰かが愛しんでいたその物が今自分の前にあって、次の所有者を、その骨董自体が品定めしているような、不思議な気持ちになります。自分はその物を愛しんであげられるだろうか、骨董からしてみれば、この人は私を愛しんでくれるだろうか。そんな2者が向かい合っている。行ってみたいです。

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