私がこのEzee Caféに初めて足を踏み入れてから、もうかれこれ8年になる。この店は福岡市で唯一、浮気がちな私を度々舞い戻らせてしまう店だ。中川 浩一氏が創設したこの店は、絶品テックス・メックス料理 (メキシカン&アメリカ料理) が特徴で、1997年開店以来人気を博している。クラシック映画が醸し出す雰囲気に浸りつつ美味しい料理に舌鼓を打ち、ゆったりした調度品の中で洗練された音楽が楽しめる素敵なレストランだ。
広々とした店内は大人数グループも収容可能な上 (私はここで60人以上のパーティーを催したこともある)、カップルが静かに時を過ごせるテーブルもあり、ダーツも無料で楽しめる。もちろん長いカウンターのあるお洒落なバーで、流ちょうに英語を喋る店主の浩一や、フレンドリーな地元客達とお喋りすることもできる。
メニューの主役は何といってもテックス・メックス、アメリカンスタイルのメキシコ料理だ。ファヒータ、タコス、新鮮なグアカモーレ等が揃っている。他にも自家製ピザやステーキ、リブ、チリ、サラダ、パスタ、ほっぺたが落ちるほど美味しいデザートなど、メニューは豊富だ。
バーには多様で上質なスピリット類がずらりと並んでいる。日本ではまだ珍しいテキーラ、上等のワイン、季節の新鮮な果物を使用したカクテルなどもある。ここでビール通には耳寄りな情報をお伝えしたい。店主の浩一が格別誇りに思っていることがあるのだ。それはこの店が、福岡で最初に樽生ギネスを導入した店の一つだということだ。缶ビールではない、本物の樽生だ。樽生ギネスなんて 九州 全土どこを経巡っても、なかなかお目にかかれるものではない。特に 福岡の繁華街 から一歩でも外に出れば、再び出会うことはまずないだろう。そしてもちろんカフェと言うからには、コーヒーやソフトドリンクも自由に楽しむことが出来る。
ここは親しみやすく入りやすい店で、客が自宅のごとくくつろげるよう設計されている。店内に流れる音楽を聞いていると、リラックスできると共に何やら力も湧いてくる: 心地良いがうるさくない、ちょうど良い音楽なのだ。会話も弾み、特に浩一と喋るのが楽しい。接客業の長い彼には客が何を欲しているか手に取るように分かるのだ。客が人懐っこい気分の時には、クラシック映画や室内装飾 (カフェのインテリアは彼の手によるものだ)、音楽、書道(日本のカリグラフィー)、料理など、あらゆる話題について喋ってくれる。逆に静かに過ごしたい時には、静かな場を提供してくれる。
誰が店主で、どんな人間が経営しているのか、店のコンセプトは何か、そして彼らが自分たちのサービスや商品にどれほど情熱を傾けているかを知ると、その店に通いたくなるものだ。この店の立役者、浩一は地域コミュニティーの柱でもあり、町中のレストランのオーナーと緊密に連絡を取っている。そして地域で開催されるディナーやお祭り、英語レッスンやパーティー、子供向けのハロウィンなど、地域イベントを支援している。
この店を訪れるためだけにでも、福岡市のこの地域まではるばるやって来る価値があるほど、このカフェは絶対お薦めのスポットだ。夕方早くから深夜まで営業しており、油山で活動的に遊んだ後立ち寄るには絶好の店だ。六本松のレストランやバーにも近く、 福岡市動植物園 からもタクシーですぐだ。リラックスして雰囲気を楽しみながら愉快に飲食し、ついでに友人の一人か二人も作ってしまえる、最高のカフェだ。
簡潔平易な文章で、すごく読みやすく分かりやすいです。