京都・祇園「ケザコ」

フレンチと京料理の素晴らしい融合

Shozo Fujii   によって

清水寺を後に、三年坂の石段を降りる。

そのままに伸びる東大路通を八坂神社に向かって進み、建仁寺へ向う路地を入ると、目指すレストラン「Kezako(ケザコ)」はすぐに見つかった。

 このケザコは正統派フレンチの伝統の技は料理テクニックとして活かしつつも、真空パック湯せん調理法という新しい味の楽しさを融合させようとするオーラが感じられるレストランである。

食材の使い方や盛り付け方に、「こういう方法があったか!」と、嬉しい驚きだ。

 フランス人シェフ、パンテル・ステファン氏は四十二歳(2014)で、フランスはプロヴァンスの出身。

父が経営するレストランを中学生の頃から手伝い始める。

そう言えばサルヴァトーレ・クオモ氏も似たようなプロフィールだということをふと思い出した。

親孝行という人間性の暖かさが料理には出るのだろうか。

料理学校で学んだ後、パリの三つ星レストラン「グランヴェフール」を始めいくつもの有名レストランで腕を磨いた彼は、2001年に来日した。

 

オープンキッチンのカウンター席に座って料理が出された瞬間、その予想は期待通りのものだと分かった。

 ステファン氏、フランス語なまりの上手な日本語で料理の説明をしてくれる。

水は料理にとって命そのものである。

水質は調理の出来栄えを大きく左右するからだ。

京都の北で高野川と賀茂川は合流して鴨川となり、京都市街地の東側を南に下り流れる。

西側には桂川が走る。この2つの川はその地下にすばらしい水脈をたたえており、琵琶湖のそれに匹敵する水量の地下水が京都市街地の地下を滔々と流れていると言われている。

 その水質は超軟水だ。

日本の水は軟水が多いのだが、特に京都の水はそのミネラル分のバランスが料理や茶の湯に最適で、それゆえに京都でこの二つの食文化が花開いたともいえる。

おそらくはステファン氏、この京都の水にぞっこんほれ込んだのだと私は想う。

ステファン氏は、真空パックの湯せん調理の可能性をとても評価しているのだろう。

食材の使い方も調理法も説得力が味わいに現れているのであればそれでよい。

 大根の奈良漬を前菜に供したり、京野菜や瀬戸内の魚をフレンチにアレンジする際の創造力には感服した。

 京都の旅にあって、一期一会をこのケザコと結ぶ幸福感は他では得難いものである。

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Shozo Fujii

Shozo Fujii @shozo.fujii

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