水前寺 東寿司

閑静な住宅街の粋な寿司屋

Yui Yamaguchi   2014/07/30によって

水前寺の歴史は古く、平安時代にまで遡る。国司、道君首名(みちのきみのおびとな)の没後、彼の偉業を称えて水前寺が建立されたのが地名の由来とされる。その後、水前寺は火災により消失してしまうが、江戸時代に入り、肥後藩主の細川忠利が現在の水前寺成趣園の元となる御茶屋の造営始める。田畑ばかりだった水前寺も、立地のよさから戦前にはすでに熊本市内人気の住宅地となっていた。

東寿司はこの閑静な住宅街の水前寺の一角、ちょうど熊本武道館の真向かいに位置する。水前寺公園を散策した後に歩いていける距離だ。外観も派手なネオンサインはなく、木の表札とのれん、夜には行灯に灯がともるくらいの洗練された簡素さだ。暖簾をくぐり引き戸を開けると、感じのいい仲居さんが店内を案内してくれる。カウンター、テーブル席の一階と、二階は個室になっていて障子窓からは庭を眺められる様に作られているので、ビジネス、パーティ、小さな子供がいるときなど、様々な状況に対応してもらえる。大きな庭ではないが、手入れの行き届いた花壇や植え込みが粋で、畳や明るい木目で統一されたインテリアも清潔感があふれていて、とても居心地がよい。

懐石料理は旬の魚、野菜の前菜から始まり、煮物、焼き物、にぎり、デザートと何種類もの料理が出てくるのだが、全て少量なので問題なく平らげてしまう。季節感を感じさせる新芽の味噌だれ、九州ならではの醤油と砂糖のこってり味の煮物、和風ステーキなどの絶妙な味付けだけではなく、雅趣に富んだ和食器の盛り付けにも板前さんのセンスが光る。そして、最後の〆に出てくるにぎりはもちろん新鮮で美味、必ず我々の期待にこたえてもらえるのだ。

カウンター席に座って食事するのも寿司屋での醍醐味である。板前さんに食材、料理の話を聞くことはとても楽しく、この上なく勉強になる。そして、その日の魚を見ながら何をにぎってもらうか注文するのも乙なものだ。

また、寿司だけでなく一品料理も食することができるので、熊本出身でない方は、是非、郷土料理の水前寺セット(辛子蓮根、馬刺し、一文字ぐるぐる)を試していただきたい。一つのお皿に3種類の料理が少づつ盛り付けてあるので、熊本の名物が一度に味わうことができて大変得した気分になれる。また、季節によりおススメ料理も変わるのでお店のひとに尋ねてみよう。

お昼時、夕食時は混雑するので予約しておいたほうが無難だろう。お寿司、鉢盛り等の宅配サービスの詳細もインターネットでチェックできる。

Yui Yamaguchiさんによって書かれました。
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