鶴仙渓は石川県加賀市を流れる大聖寺川の中流域の川岸にある景勝地である。ちょうど山中温泉郷が川沿いに細く伸びる側の向こう岸にあって、切り立った土手から川面に様々な木々が枝を降ろすさまは雅趣にあふれる。川の水量も多すぎず少なすぎず、水に削られた河岸の岩の表情も豊かだ。江戸の俳聖、松尾芭蕉は「奥の細道」の旅の途中、この山中温泉に立ち寄った。風呂嫌いで知られる芭蕉がこの温泉郷に2週間もとどまったのは特筆すべきことである。いかにこの渓流が彼を魅了したかであろう。川沿いを歩くと鳥のさえずりや水の流れの音、木々の枝を風が鳴らす音が心地よい。
石川・加賀山中「鶴仙渓」
風雅な紅葉の下を歩く

Shozo Fujiiによって
コミュニティライター

大聖寺川の水の色に紅葉が映える

こおろぎ橋は全長21メートル、総檜造りである

こおろぎ橋から上流を臨む

こおろぎ橋側から鶴仙渓遊歩道へと降りる

歩きやすく整備されているので軽装で大丈夫だが、雨上がりの後は路面が滑りやすい

水の音が耳に心地よい

川の流れにもいろいろな表情が見える

土手の斜面からも湧水が川に注ぎ込む

河岸の岩が切り立つ辺りは水も翡翠色に深まって美しい

この支流の水量はなかなかのものだ

途中、河の半ばにまでせり出した岩の上にわたってみる

道明ケ淵。昔、ここに棲む竜が住民に悪さをして困らせていたのを、道明という男が退治したという

1689年7月25日、松尾芭蕉がこの辺りを訪れたとある

崖の砂岩は長い年月の間に侵食されて興味深い表情を見せる

後年、芭蕉を慕う門下生たちがこの芭蕉庵を建てた

全長1.7キロほどの遊歩道も芭蕉庵があるこの辺りで終わりである
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