福井に初のフロマージュリーができた。
パリの街を歩くと、日本でいえば肉屋があるように、路地に1軒は必ずチーズ屋がある。
そのチーズ屋のことをフランス語でフロマジュリーと言う。
店の30メートル手前くらいからチーズの芳香が漂っているからすぐに分かる。
福井と言わず日本にそんなフロマジュリーがなく、残念な思いがずっとあった。
それがついに福井にもできたのだ。
知人の塚本さんが開店。2012年の冬の事だった。
彼は20年以上も前から「ブルーライトカフェ」というバーを経営している。
そこの厨房を仕切る面野(おもの)さんは元家庭科の先生という異色のキャリアの持ち主。
このカフェでは面野さんが管理するチーズが素晴らしく、熟成庫には主にヨーロッパのさまざまなチーズがプレートに乗る日まで静かに眠っている。
面野さんはカフェでチーズ料理を提供するだけでなく福井でチーズに関するセミナーや料理教室の講師などチーズ普及と啓もう活動に幅広く活躍している。
その成果と業績がフランス政府に認められチーズシュバリエの称号を贈られた。
1年が経って2013年12月現在、フロマジュリー「ディープ・ブルー」は他のスタッフに切り盛りを任せている。
チーズの売れ行きは果たして、中々奮闘中のようである。
ショーケースの中のチーズは種類がまだまだ少ない。
まだ福井ではチーズファンが少ないのだろう。
加えて「賞味期限」という厄介な法律が日本にはある。
チーズのような熟成によって味わいが深まるものにまで普通のかまぼこや豆腐と同じ網をかけては、2か月、3か月熟成のシェーブル(ヤギ乳のチーズ)やブルヒ(ヒツジ乳のチーズ)、はたまたウォッシュチーズ(塩水やワインなどで白カビチーズの表面を洗いながら熟成させたチーズ)の普及など叶うべくもない。
わずか1カ月間の賞味期限期間。
それが切れたチーズは、私(だけでなく本場フランスの皆さん)に言わせれば「これからいよいよ美味しさが佳境に入る!」のに、日本ではごみ箱行きの哀れな末路である。
真空パックのチーズは酸化を防ぎ発酵を抑える機能はあるが、風味が損なわれてしまうのが欠点だ。
「ディープ・ブルー」のショーケースにフランスやイタリアのフレッシュチーズが数多並ぶのは、福井のチーズファンの今後にかかっている。
そして、せめてパリのフロマジュリーの2,3倍の値付けで買えるならもっとチーズファンが増える。
パリのフロマジュリーでは高貴な味わいの「ロックフォール」が100g、なんと¥150-ほど。それが、日本に来ると軽く¥1000-を超えるのだ。
それは私初め福井のワイン好きが今夜の晩酌をいかに楽しめるかに直結しているからだ。
このことも付け加えて、「ディープ・ブルー」の一層のご繁盛を祈りたい。