川越「菓子屋横丁」

日本人の幼心をくすぐるどこか懐かしい通り

Mimi Ishikawa   2015/03/10によって

明治の初め、鈴木藤左衛門が江戸っ子に好まれる気取らないお菓子を製造したのが始まりとされる川越の「菓子屋横丁」。大正時代の大震災で東京の菓子問屋が焼失してしまうと、その代りを担って発展した。昭和初期の最盛期には70軒以上の店があったそう。

今は20数軒の菓子屋などが立ち並び、昔ながらの素朴で懐かしい味を伝えている。その風情は、幼い頃に帰るようなノスタルジックな気持ちを呼び起こす。職人の多い横丁にただよう独特の活気。お菓子の甘い香りや醤油の香ばしい匂い。

ほとんどの店が店舗と住居を兼ねているので、「菓子屋横丁」の人々はお互いにご近所同士。それゆえのつながりの深さもまた訪れる者に温かさを感じさせてくれるのかもしれない。

『きどらない職人の街で心づくしのおもてなし』が菓子屋横丁のテーマ。その時々には、菓子屋横丁会の仲間で集まり横丁の発展を考える勉強会も開く。2020年の東京オリンピックではゴルフの会場となる予定の川越市。外国人観光客にも楽しく過ごしてもらおうと、外国語の対応表なども横丁会で準備している。

国産小麦と自家製酵母にこだわったベーカリー「楽楽」、伝統の組飴の技を今に伝える「玉力製菓」、江戸寛政8年から続く飴や元祖日本一ながい黒糖ふ菓子を作る「松陸製菓」、芋どうなつ他、川越名産の芋菓子を多く扱う「稲葉屋本舗」など、菓子屋横丁の店はどれも奥深い。

行儀など考えずに食べ歩きができる「菓子屋横丁」。所々で、だんごやたこ煎など食べ歩きできるものが店頭販売されており、選ぶのも楽しい。おでんや芋スティックなどがリーズナブルに揃う「浜ちゃん」には、気さくな横丁会の会長さんがいる。お手すきの時には、買い物がてらちょっぴり話を聞いても面白いかもしれない。

毎年4月の第2土日には菓子屋横丁まつりも開催される。催しは毎回変わるが、体験ベーゴマや腹話術など昔ながらの実演も楽しめそうだ。

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Mimi Ishikawa

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