京都・嵯峨野は小倉山のふもとに佇む常寂光寺は、江戸初期、本圀寺の日禛(にっしん)上人が豊臣秀吉の命に背き、そのとがめが寺に及ぶのを避けるために隠棲したのが始まりである。その後、大名小早川秀秋らの寄進によって宝塔などが建立された。この多宝塔はその当時のもので、小倉山の中腹に立ち、どの季節におとずれても美しい。総ひのき葺きの屋根が方形にゆるやかにしなりながら伸び、その屋根が二段に重なっている。これは裳階(もこし)と呼ばれる。この多宝塔はとても仏教的な建築物だ。内部は非公開となっている。なお、この多宝塔の近くに、藤原定家の別荘「時雨亭」跡を示す石碑がある。
京都・嵯峨野「常寂光寺」を歩く~3
重要文化財「多宝塔」
Shozo Fujiiによって
コミュニティライター
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