京都・嵯峨野「愛宕念仏寺」を歩く~本堂

荒廃からの復興への祈り

嵯峨鳥居本の「愛宕(おたぎ)念仏寺」本堂は、当初は山城国愛宕、現在の六波羅蜜寺辺りに建立された。鎌倉時代の建築様式を表していて、重要文化財に指定されている。正確には、方五間、単層入母屋造り。内部の天井は小組格天井(こぐみごうてんじょう)、本尊の位置は二重折り上げ格天井である。北下がりの斜面に立ち、周囲を千二百羅漢像が埋め尽くしている。創立後、近くの鴨川の氾濫などで荒廃を繰り返したため復興はなかなかままならなかった。そのような状況下で貴重な本尊仏像などがこんにちまで守り抜かれてきたことは奇跡で、大正11年に東山からこの西の嵯峨鳥居本に移築された。

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