初めてこれを見た人が、スタートレックのUSSエンタープライズ号が名古屋市に降りたのかと思ったとしても許されるだろう。しかしこれはエンタープライズ号ではない。スティールのパイプとガラスで造られた、15トンもの雨水を再利用した水を張った「水の宇宙船」だ。この水の効果で施設の下の階が涼しくなる。悪名高き名古屋の暑い夏にはもってこいなのだ。さらには周りの緑を潤わせ、その下で行われるイベントやショッピングスペースの雨よけになっている。
場所は名古屋テレビ塔と大きなNHKビル、そして愛知芸術文化センターの中間にある。「水の宇宙船」は、名古屋のランドマークである複合施設オアシス21の上の階にあたる。2002年にオープンしたこの未来都市のような施設には、半地下の「銀河の広場」があり、その周りを30店舗のショップやレストランが並び、楕円形の巨大なお皿の真下では人気イベントなどが催される。
オアシス21の中には、ポケモングッズのお店(子供に大人気。週末や学校の休みには大変混み合う)やNHKのキャラクターグッズを扱ったお店、ファッション雑貨に洋服は若い子向けから大人向けまであり、銀行や携帯電話のショップ、名古屋観光案内所も入っている。飲食店は、マクドナルドからベーカリー、イタリアン、中華、和食と勢ぞろいであり、寿司、スターバックス、バスキンロビンスのサーティーワン アイスクリームもある。
地理的にも便利なこの施設には、面積6200㎡のバスターミナルがあり、名古屋のアクセスが快適になっている。
噴水のお皿の周りは歩けるようになっているので、訪れた人たちが歩いて楽しんでいる。アクセスはエレベーターまたは階段があり、名古屋市のパノラマ景色が無料で楽しめる。
皿の後ろ側にあるNHKと愛知芸術文化センターの手前には、緑の芝生と木が植えられた「緑の大地」という場所があり、昼休みにオフィスを抜け出したサラリーマンやOL、日光浴を楽しむカップルで賑わっている。
オアシス21は、名古屋市中心を南北に伸びる久屋大通公園の地下にあるセントラルパーク地下街へと繋がっている。買い物ができ、食事もでき、イベントありの人気観光スポット、オアシス21。その名の通り、まさに「名古屋のオアシス」である。