名古屋市の中心部から数分。大きなアパートやオフィスビル、日本特有の住宅やショッピングエリアに囲まれた場所で、上部に格子がはめ込まれた双塔が一際目立っている。カトリック名古屋教区の司教座聖堂である布池カトリック教会だ。同教会は愛知県、岐阜県、富山県、福井県、石川県のカトリック教会の中心でもある。名古屋カテドラル聖ペトロ・聖パウロ司教座聖堂(通称、布池カトリック教会)は地下鉄新栄町駅、千種駅、車道駅に挟まれた一画、名古屋市東区葵にある。また、聖堂の隣には布池外語専門学校がある。
厳粛な雰囲気をかもしだしている聖堂は昭和37年(1962年)に献堂され、その建築はゴシック・リヴァイヴァル様式である。50mの高さの尖塔と鐘楼があり、鐘楼には大きな鐘が4口設置されている。その内2口の鐘が毎週日曜日の朝にその音色を奏で、聖堂では厳かにミサが行われる。ミサは、そのほとんどが日本語で行われるが、ミサに多くのフィリピン人も集うため定期的にタガログ語や英語でも行われている。平成5年(1993年)、アウグスチノ野村純一師が名古屋司教に叙階され、以降、特にクリスマスと復活祭のミサは同師が行っている。
聖堂内部は世界中で見られるカトリック教会とほぼ同様で、アーチを描いた高い天井の下に蜂蜜色の木製の信者席が横長に設置され、祭壇の後ろと上には十字架上のイエスを描いた見事なステンドグラスが配置されている。また、ホールの四方は現代風のステンドグラスに囲まれ、祭壇内陣両脇には教会名の由来となった聖ペトロと聖パウロの像がアーチ内に置かれている。
布池カトリック教会は挙式会場として人気があり、カトリック信者でない人も歓迎してくれる。また、再宣誓式も年に一度行っており、夫婦が再び変わらぬ愛を誓い合う場としても人気がある。教会の正面にある幅広の階段は結婚式の写真撮影のロケーションとしてぴったりで、写真には聖堂の尖塔が幸せいっぱいの新郎・新婦、友人、家族の後ろで天高くそびえ立つ。
日没後は尖塔がライトアップされて美しい写真が撮れる。また、聖堂内からの明かりが正面入り口上にある聖母マリアを描いた色鮮やかで大きなステンドグラスを照らし出している。
日本語での礼拝は、毎週日曜日午前7時00分と9時30分に行われ、毎月第1・第3日曜日は午後6時00分にも行われる。平日は午後7時00分に行われるが、第1金曜日のミサについては午前7時00分、午前10時00分、午後6時30分に行われる。
尚、英語のミサは第4日曜日の午後6時00分に行われ、タガログ語のミサは第2日曜日の午後6時00分に行われる。