芸術愛好家にとって東京は、世界で一二を争う最高の都市かもしれない。ここでは多種多様な美術館が街の至る所に建ち並んでいる。壮大な美術館から壁の穴ほどの小さなギャラリーまで何でもありだ。あなたのお好みに応じ、予算やスケジュールと相談しながら好き放題に行く先を選べてしまう。
出発点として最適なのは山手線北東部の最頂点に当たる上野だ。上野公園内には、東京国立博物館、上野の森美術館、東京都美術館、国立西洋美術館があり、互いに徒歩圏という好立地に配置されている。公園近くの東京芸術大学大学美術館では、時折学生による作品が展示される。
日本の伝統的芸術作品が見られる場所も勿論豊富だ。東京駅近くには三菱一号館美術館があり、そこから少し先に行くと出光美術館もある。原宿の太田記念美術館では古風で美しい木版画が鑑賞でき、広尾の山種美術館では日本画(日本の伝統的絵画)を堪能できる。20世紀初頭の美術品を見られるのが旧朝香宮(邸を美術館として開館した東京都庭園美術館だ。
東京は西洋美術や現代アートファンをも唸らせる。六本木には国立新美術館と森美術館があり、東京駅から北西に少し行くと東京国立近代美術館、南東方向にはブリジストン美術館がある。ちょっと中心部から外れた位置には東京都現代美術館がある。
これら大きめの美術館の入場料は、常設展示と企画展示両方の鑑賞で最大1500円程度だ。だが、無料でアート鑑賞できる場所もある。京橋や銀座には個人経営のこじんまりしたギャラリーがたくさんあるし、その他店舗やオフィス内で小さなショーケース展示を行うギャラリーもある。LIXILギャラリーや資生堂ギャラリーなどだ。目黒には現代彫刻美術館があり、秋葉原駅から少し北に行けば風変わりな3331 Arts CYDもある。ここは旧練成中学校を利用して誕生したアートセンターで、現代美術作品を展示している。
東京でどんな展示があるかを調べるには、東京アートビートを見るのが良いだろう。毎月アートマップを出版しており、これは東京の書店やミュージックストア、美術館等で手に入る。バイリンガルのウェブサイトもあり、地区やジャンル別に検索できるので、好みによってどこかで何かしらの展示は見つけられる。芸術探索を楽しもう!