すべてのレースにはユニークな雰囲気と独自の設定があります。この記事は東京マラソンを走る人を対象にし、コースの全体像と経験を書いたガイドです。ここの情報は2010年のイベントで自分自身がフルコースを走った経験と、何年間かの観戦もして、それを基に書かれています。(もし家族や友人があなたの応援に来るなら、本稿の姉妹編「東京マラソンー観戦ガイド」を参考にするように言ってください)
東京マラソンは、ベルリン、ロンドン、ボストン、シカゴ、ニューヨークなどと共に世界6大マラソン大会の一つです。これはフルマラソン(42.195キロ)と10キロのレースが同時に開催されます。加えて、車いすのイベントもこれらのちょっと前に始まります。
レースは2月下旬の日曜日に開催されます。と、いうことは、けっこう寒い時期です。東京の2月の平均温度は摂氏2度(華氏35度)から摂氏9度(華氏49度)です。雨期ではありませんが、伝統的にマラソンの日は悪天候によくなるといわれています。2011年のレースはこのイベントの歴史上、唯一雨が降らなかった年でした。コースの終わり近くで海岸沿いの河川を超える時は特に強風があるといわれています。私が走ったときは、レースの最初の三分の一は手袋をしていましたが、レースの後半には太陽が出て、お天気になり、快晴の中とても気分よく走りました。
このマラソンで一番の難題は簡単に参加出来ないことです。このマラソンはとても人気があるので、2013年のフルマラソンには303,450人もの申し込みがありました。なので、多くの申込者の中からくじ引きでランナーが選ばれます。申請は通常8月で、東京マラソンのウエブサイトで申し込みます。くじの結果発表は10月です。
レースのためのチェックインは、お台場(フルマラソンのゴールでもある)の東京ビックサイトコンベンションセンターです。チェックインと東京マラソンエキスポはレース日の前に数日間に渡って開催されます。ランナーは必ずそこに行って、胸当て番号、Tシャツ、グッズなど情報を受け取ります。エキスポはたくさんの屋台やショーケースで、ランニング製品などを公開してるので、そこで1、2時間は楽しく過ごせます。
レースそのものは、東京都庁舎ビル(新宿駅、西口から徒歩2、3分のところ)からのスタートです。新宿が商業地区の中心地としてラッシュ時間を迎えるので、それを避けてレースの開始時間は早朝になってます。新宿は市街地からの参加者がホテルを探す場所としてはお奨め出来ません。新宿のホテルはかなり高いですから。それに、東京都の素晴らしい電車と地下鉄の交通システムは、どこからでも新宿へアクセスが簡単ですから。しかし、ここに来てから道に迷う可能性は大きいです。初めての人はレースの前に新宿駅ビルと近辺をチェックすることをお奨めします。
ランナーは新宿駅に到着する時には運動着を着て準備ができていることが望ましいです。スタート地点には膨大な人数が使用出来るトイレがありますが、数が少ないし、新宿の駅の洗面所は何時間も待たなければならない長い行列になってます。あなたが運動着に着替えたいなら新宿駅への途中の駅の洗面所を使用した方が良いでしょう。
早めにスタート地点に着きましょう!巨大な群衆は混沌として移動に時間がかかりますから。最初に行く場所はあなたの個人所有物バッグを集めるトラックで、それはランナーよりエキスポに先に行きます。大きさは小さいゴミ袋のサイズで、ゴール後に必要な服などの私物を詰めます。あなたの胸の番号と一致するトラック番号を見つけて、そのトラックにあなたの私物を預けます。それから、スタート地点を見つけなければなりません。これは簡単に見つかります。ランナーはあらかじめ胸当ての番号に来た手紙によってグループごとにオーガナイズされてます。でも、入り口からあなたの所属するグループの場所へ移動するのは容易ではありません。強引で神経質に取り乱している集団の中をよぎらなければならないのです。もう一度言っておきますが、スタート地点には早めに行っておきましょう。ポイントAからポイントB、ポイントCに行くことはとても時間がかかるのです。
コース自体は下記の地図で見ることが出来ます。最初の数キロは下り阪で、残りのコースはホントにずっと平らな道で続きます。35キロと40キロの地点で河川を渡る橋が幾つかあります。ある橋は橋の両側のサイドでわずかな傾斜があります。急な傾斜ではないのですが、レースの終わりに困ったことになります。そして多くのランナーがこの傾斜の前でストップしているのを目撃しましたが、なんとか乗り越えていました。(もちろん、一般的に、特に遅いグループはレースの終盤に中止する傾向があるのですが)全体的にはレースは全く問題なく続きます。
トイレはコース中でかなり頻繁にあります。ポータブルの形のトイレが所々に設置されているのに加えて、ルート沿いのコンビニショップがトイレを使いたいランナーのためにドアーを明けてくれてます。しかし、最初の数キロでの洗面所の使用は長い行列なので注意しましょう。スタートポイントのトイレ不足は書きましたが、レースが始まったとき、すごく長い行列が最初の数セットにありました。もう少しコースの先に行くとトイレの行列はだいぶ短かかったです。
サービスに関して言えば、東京マラソンは大変良くオーガナイズされています。すべてのボランティアとすべての応急処置施設は色で 分けられています。:ブルーの給水所(3キロごと)オレンジのスポーツドリンクステーション(6キロごと)というように。スポーツドリンクは日本製の「ア ミノ・ヴァリュー」という製品でした。素晴らしいマルチな味に慣れている外国からのランナーは、この味にショックを感じて驚くかもしれません。日本のほとんどすべてのスポーツドリンクを作っている会社が単純でどれも似たような味で、味はちょっと強いです。そう、それはあまり味わったことが無い味なのです。ゲーターレードのように日本市場に侵入しようとしている海外の飲料会社でさえも、日本の味と同じにして販売し始めています。日本全域に自動販売機があるので、そこでアミノヴァリュー(他の会社の飲み物も)をレースの前に試して味に慣れておきましょう。違う色の応急処置のステーション(コースの後半だけにある)もあります。フードステーションにはちょっと面白い物が揃ってます。例えば、剥いてあるバナナとか。私が走ったときの弱点は、フードスタンドのサインが全部日本語だけだったことです。そして私はロールパンのつもりで取った物から、なにやらチョコレートクリームのような物が出てきたのには、信じて疑わなかった私はホントにびっくりしました。(それは悪い味ではなかったものの、脳がへなへなになっている時にはけっこうきつかったです)
ランナーのためにコースの至る所にたくさんのエンターテイメントや観光名所があります。10キロポイントで日比谷公園を通り、皇居を過ぎます。中間地点では、大きな商業地区で近代的ビル群が見られる銀座と有楽町を走り抜けます。第二のヘアーピン地点の浅草には大々的なエンターテイメントが設置されています。ここのステージでは、古代の神社の前で、伝統的な音楽や踊りを見せてくれていましす。最後を飾るのは、素晴らしい海辺の景色と現代建築物が見られるお台場です。そこにはステージが設置されていて、チアーリーダーの行進、ロックバンドの演奏がそこここにあります。たった一つ例外があります。それは二つ目のコーナー(約27キロ地点)でコースの二重になっている部分で、私はそこを「デッドゾーン」と呼んでいます。そこには何もありません。景色もパフォーマンスも観客すらいません。あたかもゴールに向かうランナーを見るために観客は全部浅草に集結しているようです。そして多くのランナーがゴールを目前にして最も勇気が必要な時に、大きな空しさに襲われると言われています。覚悟してください。全体的にこの経験は素晴らしかったと言えます。観客は素晴らしく、マラソン知識に精通して、世界の他のレースには無い良い雰囲気をかもし出しています。スタッフはとても熱心でフレンドリーです。
ゴール地点でのメダルの授与と医学的サポートは適切です。ボランティアの人達が、疲れた身体でかがむ必要がないように、タイミング良く靴を脱がしてくれます。(嬉しいサービス)残念なのはそれが東京ビッグサイトの中にあるので、そこまで(くたくたで?よろめきながら?這いつくばって?でも)歩かなくてはならないこと。でも行けばそこにはすべてが無料で、水ボトルがあり、色々な景品がもらえ、スナックや軽食が食べられ(私は果物とエネルギーバーがあったのを覚えています)痛い膝にスプレーすることも出来ます。このビルの中で個人の所有物を受け取り、男性と女性に別れている大きながらんどうの部屋で着替えも出来ます。ここの床であなたは座る?(或いは横になる?)ここにはプライベートな部屋もシャワーもありませんが、ここが応援してくれた友人やサポーターに会う前に、清潔な服に着替える場所です。
もし携帯電話を持っているならそれを必ず個人の所有物バッグに入れておくようにしましょう。「ファミリーミーティング地区」はすごく広いのにちゃんとしたサインがないので、友人家族を見つけられずにうろうろしている疲れ果てたランナー達を見かけました。それから、ここを去る前に必ず階下に行って、スポンサーボードの前でステキなポーズを取って写真を撮るのを忘れずに!
東京ビッグサイトまで、ゆりかもめ線で国際展示場駅(徒歩で7分)或いはJR臨海線で国際展示場正門駅(徒歩で3分)で行けます。
頑張ってください。幸運を祈ります。何か質問があれば記事の最後にある「ジョイン・ディスカッション」に遠慮なく書き込んでください。