鎌倉の竹寺 報国寺

神秘の竹林に魅了されて

鎌倉の報国時には、この世にまたとなき美しい竹林がある。この神秘的な美を堪能するには早朝か夕暮れ時の訪問がお薦めだ。太陽の木漏れ日が得も言われぬ幻想的な空間を作り出す。

もちろん報国寺の魅力は竹林だけではない、とはいえ、寺院内の建物や仏像、小さな滝などが10分もあれば見て廻れるのに比べ、この竹林にだけは幾度となく心を奪われ、何時間もそこで過ごしてしまうのだ。

ゆるやかな曲線を描く石畳の小道を歩いていくと、さまざまな角度や視点から竹林を堪能することができる。目の前に見える見事な竹に、手を伸ばすと触れられるのだ。そして空を見上げると、竹の天頂付近の実にさまざまな緑の色合いに驚かされることだろう。濃い緑色から若々しい薄緑まで、どこを見渡しても満面の緑だ。

臨済宗建長寺派の禅宗寺院として1334年に建立された報国寺は、1923年の関東大震災で殆どの建物が倒壊し、現存の寺社は再建されたもので、そこここに新しい雰囲気が漂っている。

竹林の奥に進むと、屋外にお茶席がある。眼前に広がる美しい景色を愛でながら、温かくて濃い抹茶の苦みを静かに味わってみてはいかがだろう。目を閉じれば小鳥のさえずりが囁き、こうして日本にいることを、つくづく楽しめるはずだ。フランクフルトやカンザスが如何に美しかろうが、こんな厳かな場所は世界中どこに行っても見つけることは出来ないに違いない。

<座禅修行>

私は体験したことがないが、毎日曜日の午前中、座禅修行が一般に公開されている。早目に行くと席が確保できる。3時間のクラスは午前7:30きっかりに始まり、かなりの厳しさだと評判だ。冬場は厚着をしていこう。朝食をしっかり摂っておくのも重要だ。畳の上での正座が苦手な人はやめた方がよいだろう。このたぐいの瞑想や冒険に慣れた人なら是非挑戦してみよう。

この寺でたった一つ大変残念に思ったのが、心なき人々によるいたずらだ(多分10代の若者だろう)。自分の名前やメッセージを竹林の竹に彫り込んでいるのだ。こんな神聖な場所でいたずら書きなど言語道断で、非常に残念である。

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