今、日本全国でラーメンが外国人に大人気なのだという。
元は中華料理なのを日本人がアレンジし、スープと麺に磨きをかけて創り上げた。
それがワールドワイドな価値を持って、世界を虜にしている。
ラーメンは麺を食べスープを飲む料理である。
軽く昼食に、あるいは夜食にいただいてちょうどいい。
福井市の北、坂井市春江町に「真竜ラーメン」がある。
以前は福井市大宮にあったのだが、金沢に移転。
そして1年あまり後に再び福井に再開した。
清潔で広々とした店内。厨房がカウンター越しに見える。
詳しい事情はわからないが、オーナーが福井出身なのだそうだとか。
この「真龍ラーメン」のファンは私を始めたくさんいただけに福井での再開はとてもうれしいことだった。
肝心かなめのラーメンのうまさは「スープ」にあると思う。
そのスープを全部飲めるだけのうまさかどうか、という点である。
最初はうまいかなと思いつつも食べている途中でくどくなってくるスープもある。
それだけのスープを作るのに全国のラーメン職人の皆さんはそれこそ寝食を忘れて研究しておられるのだろうが、「これだ!」というスープにはなかなか出会えないものだ。
しかし、出会えた時の至福は筆舌に尽くしがたい高揚である。
そしてさらに、麺の太さと味わい。
それがスープにマッチしているか、これが二番目の重要なポイント。
トッピング(チャーシューとかねぎとかのりとか卵とか)は第三次的な要素なので、スープと麺がおいしければよほどそれを邪魔しない限りトッピングは大丈夫だろう。
むしろ、昨今のラーメン大ブームにあって、いささか具が入りすぎうるさすぎて、ラーメンの本質からずれた受け狙いのラーメン店が多く、ファンとしては残念なところだ。
そういう潮流の中「真竜ラーメン」は、奇をてらわない王道を行く感がある。
真竜はやはり「塩ラーメン」がとてもおいしい。そして中でも、青葫(ちんにん)ラーメンが一押しだ。
青葫(ちんにん)とは青梗菜(ちんげんさい)と葫(にんにく)。
中華なべで青梗菜と葫を炒めて塩ラーメンの上に乗せてくる。
麺は極細。スープは鶏がらベース。
淡白な口当たりでありながらこくも十分あり、それが少しも嫌味ではない。
大振りの丼だが、たっぷりとしたスープを飲み込んでいっても飽きが来ない。
ラーメンをいろいろ食べ歩いた私にとって、スープが全部飲み干せる数少ないラーメンの1杯がこれだ。
好みに合わせて入れてくださいという「フライネギ」がテーブルに置いてある。
少し入れると、赤ネギの香ばしさがスープに溶け、生の細ねぎの風味とは全く違った楽しさが味わえる。
こういうシンプルな美味しさが味わえる店は今日とても希少だ。
お勧めの店である。