霧島の豊かな自然を探索するのに最高の拠点となる場所がある。「えびの高原キャンプ場」だ。この広大で魅力的なキャンプ場は日本赤松を、まるで海の絨毯のように敷き詰めた山々の上に広がっている。国立公園なので低料金、とはいえ設備は万全だ。宿泊はキャンプ用テント使用、もしくはウッドキャビン滞在のいずれかで、日帰りの場合ピクニックエリア使用を選ぶことも出来る。
えびの高原のこの美しいエリアは、標高約1,200メートル(3,937フィート)で、7月の平均気温は24度(華氏73度)、下界では灼熱地獄と化す九州の夏の間も涼しく過ごせ、夏にはお馴染みの厄介な虫類も少ない。
キャンプ場はえびのエコミュージアムセンターから徒歩10分圏内にある。このミュージアムセンターにはビジターセンター、ギフトショップ、野外の足湯まであり、有料駐車場からは「えびの高原池巡り自然探勝路」が出発している。この探勝路は木々の生い茂る森林を通り抜け、火山湖 (白紫池、六観音御池、不動池) を巡り戻ってくるハイキングコースだ。引き続き 硫黄山 まで足を伸ばし、すすきヶ原 を越え、韓国岳 の坂道を登り、その先もまた越えて、国立公園内の 他の火山 を巡ることもできる。駐車場前の道路をはさんだ向かい側には大きなホテルと温泉もある。
キャンプ場の宿泊料はシーズンによって異なる。キャビンの場合、5人用で大人一人1,600円から、夏場のハイシーズンは 9,300円だ。キャビンは最大で24人収容できる。テント使用料は1,100円からだ。
テントを張る場所はいくらでもある。殆どの場合高い木製台が設置されており、乾いた高台上にテントを張ることができる。駐車場には無料キャリーカートが準備され、荷物を載せて宿泊場所まで運べる。キャリーカート用の舗装通路もあるので移動はスムーズだ。
テントサイトには車椅子にも対応した非常に清潔なトイレが設置されている。炊事の出来る屋根付炊飯場兼洗面所もあり、その他、小さな調理用かまどやキャンプファイヤー用のスペースもある。キャンプ場の売店ではテント、寝具、薪、鍋類、バーベキューセット等を貸し出しており、食品も売っているが、肉、魚、野菜類はない。セントラル・ロッジには飲料の自動販売機も設置されている。
キャンプ場にはなんと温泉まで付いている。午後2時から8時まで使用可能で、ここの温泉水は特に筋肉痛、関節痛、神経痛、捻挫、傷、火傷や他の病気に効能があるそうだ。広大な敷地にはピクニック用スペースもあり、野外ステージまで設置されている。敷地近くには野外のスケートリンク場があり、冬場人気を博している。
このキャンプ場の開業期間は他の日本のキャンプ場より長い。しかし11月から12月中旬、1月中旬から3月にかけて休業している。
国立公園なので、もちろんここには動物たち -- 主に鹿と鳥だが -- がたくさんいる。夜には動物たちの鳴き声 -- 不気味だが美しく、恐がる必要はない -- が聞けるかもしれない。さあ、えびの高原キャンプ場に泊まってみよう!