未知なる自然郷、霧島錦江湾国立公園への旅は、この短中距離の素晴らしいハイキングコースから始まると言えるかもしれない。3つの火口湖を巡るには2時間はかかる。まずは「えびのエコミュージアムセンター」から出発だ。このセンターには(有料)駐車場、土産物店、野外の足湯、そしてビジターセンターがあり(地図小、大)、ここから10分程の距離には自然に満ち溢れたキャンプ場 もある。
駐車場のサインを辿って行くと、ハイキングコースの出発点に行き着く。まずは白紫池 (びゃくしいけ) 方向に向かい、時計回りにコースを進もう。標高1,200メートル(3,937フィート)の高原を過ぎ、森林に入ると、行く道々で白鳥山や(反対側には良い温泉がある)、その彼方には平坦な甑岳 (こしきだけ)、硫黄岩だらけの硫黄山、変な形だが威容に満ちた韓国岳の頂が垣間見える。
ちょっとコースから外れ、白紫池 を廻るように白鳥山方向に登れば、六観音御池 と甑岳 (こしきだけ) を背にした白紫池を上から眺めることができる。森林を抜けるとミヤマキリシマ -- 九州のツツジ (この地方独特の有名な品種だ) が繁茂している。このツツジは日当たりの良い高地を好むため、5月と6月には周囲の山々が一斉にピンク色に染まる。
森の中で目立つのは、日本赤松 (ニホンアカマツ) だ。鹿もあちこちに出没し、日中でも草を食む姿を目にする。他の小さな哺乳類にも目配りしてみよう。日暮れ時には野ネズミやたぬき (ラクーンドッグ) に会えるかもしれない。
白紫池を廻り終わると、次はもっと大きな六観音御池だ。池沿いを歩いて行くと深紅の六観音神社境内を通り抜ける。素敵な休憩場所で、ここには注目すべき古木があり (中にはなんと樹齢500年以上の杉 まである)、神社境内から眺める湖はこの上なく美しい。このハイキングコースには鳥がたくさんいる。双眼鏡かズームレンズ付きのカメラがあれば便利だろう。
3つ目、最後の火口湖は 不動池 だ。ここまで来ると風景が一変し、辺り一面緑の草原になる。秋には日本のシロガネヨシとも呼ばれるすすきの一群が風景に興趣を与える。陽に照らされて光り輝くすすきの姿は実に美しい。
不動池の横には道路がある。この道路を渡れば硫黄岩だらけの硫黄山探検にも挑戦できる。さらにその先の韓国岳やもっと先まで 行くことも出来るが、逆にハイキングコースをそのまま時計回りに道路と平行に進み、ビジターセンターに戻ることもできる。
霧島錦江湾国立公園--Kirishima-Kinkowan National Park
えびの高原池巡り自然探勝路--Ebino Plateau Ikemeguri Nature Trail
白紫池--Byakushi Pond
甑岳--Mt. Koshiki
六観音御池--Rokukannon Pond
不動池--Fudou Pond