日本人は蟹が大好きである。その蟹の中でも、身の甘み、みずみずしさ、香りの良さでは、ズワイガニがやはり一番人気であろう。大味なタラバガニ、食べにくい毛蟹(けがに)と違い、食べやすいということも大きな要因である。
毎年11月初旬から3月までの冬の期間しか獲らないこともあって、ズワイガニは冬の味覚の代名詞となっている。そのズワイガニでも、漁場から近い福井県産は港までの距離が短いから蟹の鮮度が全然違い、それが味に反映されるからことさら人気がある。福井県内の日本海沿岸のそれぞれの港町では、蟹を買い求める客が大阪、名古屋、神戸あたりからたくさん訪れている。
ズワイガニでも身体が大きく脚の身が美味しいオス・ズワイガニは高値で取引される。あわら温泉やあちこちの民宿ではこのズワイガニツアーを楽しめるところがたくさんある。メスのズワイガニは福井では「セイコガニ」と呼ばれる。身体は小さく脚も細いが甲羅の中の身が美味しく、値段もオスに比べて遥かに安いので地元の人たちはもっぱらセイコガニを食べる。
福井は長い海岸線を持つ県であり、漁業が盛んだから、蟹以外にも冬の時季に楽しめる魚介類は多い。甘エビや梅貝(ばいがい)は年中新鮮で美味しい。さらに水と空気がきれいな福井の野菜の美味しさもあるから、ホテルや旅館のどこに泊まっても、美味しい食事に感動するだろう。
さらに、冬には福井のあちこちの蔵元が作りたての酒を売り出す。無濾過、火入れなしの搾りたての日本酒がこれまた美味しい。こうなれば、グルメを堪能するには、福井に来るしかない。ホテルはそれぞれクラスによって値段もサービスも違うから、好きなところを予約したらいい。民宿は安いからお勧めである。東京、大阪などの大都市では絶対に味わえない「日本の冬の味覚」を、福井に旅して味わってほしいものだ。超お勧めである。