福井県三国は江戸・明治と北前船交易で栄えた港町である。北前船交易とは北海道と大阪・堺を結ぶ日本海回りの航路において営まれた貿易だ。その物流の中で、この「岸名家」は材木商として隆盛を誇った。かぐら造りと言われる、二階部分がせり出した町屋が三国の商家の特徴である。現在はこの建物は往時を偲ぶ博物館として一般に公開されている。隣の赤塗の建物が三国会所であり、岸名家内部を案内するガイドの詰め所になっている。三国は松尾芭蕉一門の輩下である句会があり、その会合や催しもこの岸名家で行われた。後の三国文学の端緒とも言えよう。
福井三国「旧岸名家」
北前船貿易の廻船問屋の往時を偲ぶ

Shozo Fujiiによって
コミュニティライター

旧岸名家の2階座敷。この部屋で句会が開かれた

旧岸名家外観

岸名家の石碑

しとみ戸と呼ばれる開口部

玄関をくぐると右手が店先。ここに番頭や手代が詰めて商談をした

台所。ここで使用人達が食事も取った

酒器などの日用品

当時の商屋は奥に細長く伸びていた。奥は向こう側が九頭竜川の河岸で、荷舟が店に直接横付けされた

井戸が掘られ、炊事、風呂などの水はこれを利用した

石製の風呂桶。亭主は銭湯に出かけた。奥方がこの風呂を使ったという

玄関からすぐがこの部屋。岸名家の者がここで食事をとった

船箪笥(たんす)。船が難破してこの箪笥が水中に放り出されても内部に水が浸透することがない作りになっている

三国仏壇。三国はかつて仏壇作りが盛んであった

中庭を臨む。向こう側には蔵がある。母屋が火災になってもこの庭で火は食い止められ蔵の延焼が免れるような設計となっている

仏間から店先、玄関を臨む
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