埼玉県行田市にある 『割烹 満る岡』は1875年創業の老舗。趣のある日本家屋で鰻を主とした川魚の逸品料理を味わうことができる。
モダンな雰囲気の漂う店内には、2~4名用のテーブル席、落ち着いてくつろげる小上がりの座敷、さらに大小の個室もあり、100名までの宴会や法事・御祝いの席などにも利用が可能。華やかなコース料理も各種応じてもらえる。
鰻のメニューは大きさにより様々用意されており、家族連れやサラリーマン、年配の方など幅広い客層に喜ばれている。ふっくらとして脂のりの良い国内産の鰻に、継ぎ足しにより老舗の味を継承された秘伝のタレが甘すぎずさっぱりとした味わい。関東風の蒲焼きで、背開きにして白焼きした後に蒸して再び焼くため、柔らかい仕上がりとなる。土用うなぎのシーズン(7月中旬~9月中旬)以外は来店前の予約が可能なため、待ち時間を軽減できそうだ。鰻以外のメニューでは「鯉のあらい」が人気で、自家製の酢味噌のファンも多い。
深い歴史を感じられるこの店は、自然主義派の小説家である田山花袋(1872-1930年)の代表作「田舎教師」に登場する。小説の登場人物が、当時のこの店の前身である酒屋へ立ち寄り、涼み茶屋として馬を休めている場面が記されている。
店の建築は、レトロな外観と木材の梁を生かした特徴のある内観で知られている。2000年、築100年以上の骨組みを残しながら、店の建物の全面改装が行われた。2001年には「彩の国さいたま景観賞」、2006年には行田市「浮き城のまちの景観賞」を受賞し、近隣にある「忍城址」の城下町としてふさわしい佇まいが称えられた。
地元住民に永く愛され、伝統を繋いで今に至る 『割烹 満る岡』は、積み重ねた信頼と誇りを持ってお客様をもてなしてくれる。行田の歴史や文化に触れるひと時、ぜひとも老舗の味わいを堪能してほしい。