まるで格闘技のリングのような雰囲気だと感じたのは、行列の絶えない人気のラーメン店。「麺屋 桐龍(きりゅう)」は今日もその味を求める人々で満席になっています。「ショッパウマイ」と評される二郎系ラーメンですが、一言では言い表せない奥深さがあります。
しっかりした麺は桐龍専用に開発された小麦粉を使用し、温度・湿度管理・加水率にこだわって毎日店内で製麺されます。そのため、いつ行っても最適な麺を食べることが可能。麺の固め・柔らかめの注文後に茹ではじめ、ザルに上げてすぐに冷水でしめた極太のちぢれ麺は、重厚なスープと絡むように作られています。
豚や鶏の骨などを長時間炊き上げて骨の髄まで旨みを出しきって作り、とんこつスープの白さと醤油ダレの合わさった、お味噌のような茶褐色のスープは、見た瞬間に食欲をかきたてるほど。とんこつ特有の臭みが無く、程よくあふれるにんにくの香りに自然と笑みがこぼれます。こっくりと重厚かつスキッとした味わいであり、麺との相性も絶妙な美味しさなのです。
山盛りの野菜は器からこぼれ落ちそうな驚愕の量となっており、シャキシャキと歯ごたえのある茹で加減を楽しむことができます。野菜の下に隠れている肉厚のチャーシューは一口食べるととろけるように柔らかくて、とてもジューシー。更に半熟卵やフライドガーリックなどのトッピングにより、一杯のラーメンで違う食感を楽しめるようになっています。
行列に並ぶ前に店内にある券売機で食券を購入して席に案内されてから食券を出し、麺の硬さや脂の量、味の濃さ、チャーシューの一枚を卵に変更といった好みを伝えます。そして更に数種類の無料トッピングを「コール」し、自分だけのオリジナルラーメンが完成します。
安くて美味しくてボリューム満点。そのインパクトの強さから、初めての方は食べるのに気合いと勇気と体力が必要なのですが、決して忘れられない味として脳裏に宿り、度々無性に食べたくなるでしょう。